Record China 2018年8月27日(月) 22時20分
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26日、米華字メディア多維新聞は、中国高速鉄道の乗客トラブルの背後に潜む、中国社会の公衆道徳の危うさを指摘する文章を掲載した。
2018年8月26日、米華字メディア多維新聞は、中国高速鉄道の乗客トラブルの背後に潜む、中国社会の公衆道徳の危うさを指摘する文章を掲載した。以下はその概要。
21日午前、済南発北京行きの高速鉄道車両内で、男性客1人が別の女性客の座席を占領するトラブルが発生した。ネットで激しい批判を浴びた男性は22日夜にネット上で謝罪動画を公開している。済南鉄路局はこの件について「違法行為ではなく道徳的な問題」と説明し、世論を騒然とさせた。結局男性は200元(約3260円)の罰金と、一定期間内の乗車制限の処分を受けたという。
中国高速鉄道では近年似たようなトラブルが多数発生している。今年1月には、子連れの女性が遅れてきた夫を待つために、列車のドア口に立ち塞がって出発を大幅に遅らせた。5月には列車に乗り遅れそうになった男性が柵を飛び越えて構内に入り、もみ合いになった駅係員を負傷させている。
このようなモラルに欠ける行為は、中国社会においてもはや珍しいことではなくなっている。中国は古来より血縁関係が社会倫理の核をなしてきたため、個人や家族、親戚、友人間の関係、すなわち「私徳」が重要視されてきた。しかし現代では、見知らぬ人同士の関係づくりとしての「公徳」が求められている。新旧の社会関係の衝突により「中国人は身内に対しては非常に熱心になるが、他人や公共の場への道徳は見て見ぬ振りをする」という状況がしばしば起きているのだ。
公徳の破壊行為を抑止する公権力を持つ機関が、規則や制度がないことを理由に公徳の破壊者を処分しないというのは、ルールにのっとるという点では理解できる。しかしそれでは模倣者を増やし、公共秩序を守るためのコストを増大させかねない。男性が受けたペナルティは罰金だけだったが、ネットでは激しい批判とともに当局に厳罰を求める声が噴出している。社会公徳の維持にはやはり、公権力を持つ関係当局が然るべき規則を整備し、それを実行することが求められるのだ。(翻訳・編集/川尻)
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