天皇の戦争責任と日本の歴史認識―中国メディア

Record China    2018年8月28日(火) 0時10分

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26日、中国網は、天皇の戦争責任と日本の歴史認識について分析する記事を掲載した。写真は皇居。

2018年8月26日、中国網は、「天皇の戦争責任と日本の歴史認識」と題する記事を掲載した。

記事は、日本メディアが最近、昭和天皇の元侍従の1985年5月27日の日記から、昭和天皇は訪日した中国の指導者に対し日本の侵略戦争について遺憾の意を示すことを希望していたものの、当時の宮内庁長官や式部官長らに反対されていたことが分かったと紹介。「なぜ天皇は謝罪したかったのに反対されたのか、日本国内では侵略戦争を深く反省していないのはなぜなのか」と疑問を提起した。

復旦大学の馮●(フォン・ウェイ、●は王へんに「韋」)教授は、「多くの日本人に正確な歴史認識が欠落しており、戦争の侵略性さえ否定する理由は、主に二つの理論が関係している」と指摘。一つは、いわゆる『大東亜解放論』で、戦争の目的は西洋の植民勢力から大東亜を解放するためというもの。もう一つは『自衛戦争論』で、(米国英国、中国、オランダによる)ABCD包囲網を突破するためには開戦は仕方がなかったというものだ」と分析した。

その上で、「戦争の発端となった31年9月18日に発生した満州事変は、日本が故意に起こしたものであることを日本も認めており、その目的は中国東北地区を侵略すること。満州事変は大東亜解放や自衛のためと言えるだろうか?」と疑問を投げ掛けた。

また、天皇の戦争責任について馮教授は、「満州事変から終戦まで15回も御前会議を行っており、重要な決定には天皇の承認が必要だった」と指摘。「天皇に戦争責任はある」と論じた。しかし、責任を問われなかった理由について馮教授は、「東京裁判では、ニュルンベルク裁判と違って、国家元首を責任の対象とはしなかった。それは、連合国に有利となることを考慮して決定したもので、政治的決定だった」と分析した。「米国のコントロール下で行われた東京裁判で、米国の検察が天皇の不起訴を決定した」のは、「主に占領コストを抑えるため」と論じている。

記事は、「天皇の戦争責任追及に反対していたのはマッカーサー氏だった」とし、戦前に来日経験のあったボナー・フェラーズ副官からの「天皇を戦犯にすると、日本政府は瓦解し各地で暴動が起き、流血は免れない」との意見を考慮してのことだと解説している。

その上で、「昭和天皇の戦争責任を追及しなかったことが、戦後の日本の侵略の歴史に対する深い反省の欠如の主な原因となった」と分析。「日本の政治体制は改革されることなく、冷戦によって米国の対日政策も変化したため、A級戦犯ですら釈放されて政治に参加し、首相になった者までいる」と指摘した。

一方で、「戦後には国内外から天皇の戦争責任の追及を求める声が出ていた」と紹介。「これが昭和天皇を戦争責任に言及されることに苦悩させることになり、中国側へ遺憾の意を表明したいとの要因になった」とした。続けて「しかし、日本の役人は、謝罪をすると天皇の戦争責任問題が再び持ち上がることで天皇の権威に傷がつくことや、日本の政治体制が揺らぐことを懸念し、反対した」と論じている。(翻訳・編集/山中)

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