2018年9月19日、日本政府が地理歴史の教科書指針に、論争のある事案で一方的な見解のみを提示してはならないとの条項を新設したことについて、韓国・聯合ニュースが「事実の歪曲（わいきょく）が懸念される」と指摘した。

文部科学省は18日に告示した改正教科書検定基準で、見解の分かれる事案について「多様な見解を提示すること」を求める条項を地理歴史の教科書指針に新設した。告示は高校新学習指導要領に基づくもので、2020年度の検定から適用される。高校新学習指導要領は、生徒の多面的・多角的な思考力育成に向けた討論などを想定し、その流れが特定の方向に向かないよう、内容の広範囲の修正を求めることを可能にした。

記事は、同条項について「周辺国と意見が分かれている事案において、日本政府の立場を反映させる余地を与えたことになる」とし、「独島（竹島の韓国名）問題や慰安婦問題など敏感な問題で自国の立場を反映させ、歪曲が深刻化する懸念がある」と主張している。また、「多様な見解のある社会的事案でいくつかの見解を提示するという改正検定基準はあいまいだ」とし、「検証されていない、論理性に欠けるなどの理由で日本政府の立場と違う内容の記載を阻止する意図とみられる」と指摘している。

これに対し、韓国のネットユーザーからは「やっぱり日本は近くて遠い国」「日本が教科書を歪曲しようとしたら、韓国は日本との外交関係を断絶すると宣言すればいい」「日本が過去を反省するのは、朝鮮半島が統一され、国防力や経済力の面で日本より優位になった時」「韓国も愛国心を育てる教科書をつくるべき」などさまざまな声が寄せられている。（翻訳・編集/堂本）