Record China 2018年9月5日(水) 10時50分
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新華社など中国メディアは4日、タイに輸出されるS26T型潜水艦の建造が同日始まったと伝えた。1隻の価格は3億ドル(約334億円)超。新華社は「わが国の通常動力潜水艦の輸出における重要な進展」と評した。
建造を担当するのは武昌船舶重工集団。同社の武昌基地(湖北省武漢市)で4日に着工式典が行われた。タイ海軍と中国船舶重工集団は2017年5月、S26T型潜水艦3隻を約10億ドルで売却する契約を取り交わしていた。引き渡しは23年からと見られている。
S26T型潜水艦は、中国海軍が運用している039A型潜水艦(NATOコードネームはYuan~class=元級)の輸出用改造タイプとされる。039A型潜水艦は中国海軍が運用している通常動力型潜水艦として最新タイプで運用開始は06年。ディーゼル発電機だけでなく、日本の「そうりゅう」と同様にスターリングエンジンを用いた非大気依存推進(AIP)機関を搭載しているとされる。
中国メディアの新浪網掲載の記事によると、S26T型潜水艦の排水量は水上が1800トン、水中が2500トン。全長は77.7メートルで幅8.6メートル。潜航能力は300メートル。乗組員は38人。潜水中の最高速度は17ノット。電池残量80%の状態で260カイリの航行が可能。AIP使用時の航続距離は768カイリ。潜航して最長で20日の活動が可能。航続距離は8000カイリ。出港してから65日間の活動能力を持つ。設計寿命は25年間。
中国は1949年の建国以来、長期にわたって武器の輸出を行わなかった。一方で、武器を大量に輸出して利益を上げる米国を「道義に反する」などと批判した。中国から他国に武器が引き渡されることはあったが、いずれも「友好国」に対する無償供与だった。
方針を転換したのはトウ小平で、80年にエジプトに戦闘機を売却した。当時の中国の軍事関連企業は資金不足が深刻で、新兵器開発に大きな支障が出ていた。そのためトウ小平は「やむを得ない」として武器輸出に踏み切ったとされる。
80年から88年にかけてのイラン・イラク戦争では、中国が交戦中の両国に武器を輸出して巨額の利益を得たとされる。
現在の中国が武器輸出に極めて熱心である大きな理由も、新兵器開発などの資金獲得のためと考えてよい。(翻訳・編集/如月隼人)
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