数十万円の人間ドック費用もいとわない富裕中国人―日本、韓国、台湾が激しい医療ツーリズム争奪戦

Record China    2012年10月10日(水) 6時15分

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2012年10月、医療の分野で中国の富裕層をターゲットにしたビジネス競争はとどまるところを知らない。日本、韓国、台湾などの医療施設では、中国からの医療ツーリズムの呼び込みに躍起となっている。写真は中国富裕層向けの日本医療ツーリズム勧誘広告。

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2012年10月、医療の分野で中国の富裕層をターゲットにしたビジネス競争はとどまるところを知らない。日本、韓国、台湾などの医療施設では、中国からの医療ツーリズムの呼び込みに躍起となっている。

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各国の医療機関は豪華旅館やホテルとタイアップし、「人間ドック」ツアーを企画している。MRI(磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査。病巣を発見しやすい)やPET(陽電子検出を利用したコンピューター断層撮影技術。がんの診断をする)などの最新機器を使用する。

これら機器は高額なので運営コストがかかるのが難点だが、中国人富裕層に活用してもらえば安定経営に寄与すると期待している。中国の格差社会を背景に生まれた富裕層は一回で数十万円の費用もいとわず、水準の高い日本の病院施設での「人間ドック」検診を望んでいるという。

中国では高い経済成長を背景に、富裕層が急増しているため、中国からの医療ツーリズム客争奪戦は日本だけでなく韓国、台湾、香港も加わって激しさを増すばかりだ。

日本旅行(東京)は旭川医科大学(北海道旭川市)と協力して中国人富裕層向けに北海道内での医療観光ツアーを始める。中国では富裕層を中心に糖尿病に関連した目の疾患が増えており、先進的な眼科検診の需要に応える。

観光と医療検診を組み合わせる医療観光は、北海道内ではこれまで主に民間病院が受け入れてきたが、医大が協力するのは初めて。ツアーは、旭川医大での眼科などの検診と、富良野や札幌、道東などの観光を組み合わせる6日間を基本とする。

個人旅行ビザの自由化で個人旅行もできるようになったため、中国人富裕層にターゲットを絞り各国が熱心な誘客を行っているが、最近の尖閣諸島をめぐる日中間の緊迫化で日本は劣勢を強いられているのが実情だ。

関東地方のある有力病院の担当者は「目下、中国では健康ブームとなっており、特に富裕層は日本の先進的な健康診断を受けたいと切望している。早く日中間の緊張が解け、中国からのお客さんが戻ってくれることを切に望みたい」と語っている。(取材・編集/SK)

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