Record China 2019年12月14日(土) 20時40分
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対中感情が欧米で悪化したことが米シンクタンクの調査で明らかになった。最も親中的な国はロシアで、日本では中国を好ましくない国だと答えた人の割合が85%に上った。写真は中国国旗。
中国に対する感情が欧米で悪化し、特に米国やカナダでは過去最悪を記録したことが米シンクタンクの調査で明らかになった、と米誌が報じた。最も親中的な国はロシアで、中東・アフリカ、中南米にも中国びいきの国が多かった。日本では中国を好ましくない国だと答えた人の割合が85%に上ったという。
米誌「ニューズウィーク」によると、調査は米ワシントンに本拠を置くピュー・リサーチセンターが34カ国の3万8000人以上を対象に、今年5月13日から10月2日にかけて行った。調査結果では中国を好ましくない国と考えている人の割合(各国の中央値)は41%、好ましい国だと考えている人の割合(同)は40%となった。
国別では中国を好ましくない国だと答えた人の割合は米国で60%、カナダで67%となり、それぞれ過去最高となった。こうした傾向は多くの国で見られ、日本では85%、スウェーデンでは70%、フランスでは62%だった。ちなみに日本の民間団体「言論NPO」などが10月に公表した世論調査でも中国に対する印象が「良くない」と答えた日本人は84.7%と高い水準だった。
米国で反中感情が高まった背景について、ペンシルベニア大学現代中国研究センターのジャック・ドリール所長は「米国人の中国に対する見方はどんどんネガティブになっている」と説明。「米中の全般的な緊張の反映だ。中国が台頭して米国の利権を脅かすとか、中国は同じ経済ルールに従わずアメリカは損をしているとか、中国は豊かになればいずれ民主主義へと向かうと思ったのは見当違いだった、などの感情が渦巻いている」と述べた。
カナダの場合は昨年末、カナダ当局が米国の要請を受けて中国の通信機器大手、ファーウェイ・テクノロジーズの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕した事件が対中感情悪化に大きく響いた。記事は「怒った中国は報復措置として中国在住のカナダ人2人を拘束。カナダ人が身をもって中国の怖さを感じた事件だ」と指摘した。
一方、最も親中的な国となったロシアでは、中国を好ましい国と考えている人の割合は昨年から6ポイント増えて71%となった。両国の蜜月ぶりを示す一例として記事は「2日、中ロ両国を結ぶ天然ガスパイプラインの開通式でロシアのプーチン大統領は『エネルギー分野におけるロシアと中国の戦略的パートナーシップは新しい段階に入った』と両国の関係強化をたたえた」と紹介した。
ナイジェリアでも中国に好意的な人の割合は過去最高の70%を記録。中東や中南米、サハラ以南のアフリカのほとんどすべての国々では、中国に好意的な人が多かったという。(編集/日向)
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