3カ国の国民に利益を及ぼす日中韓自由貿易協定―中国メディア

人民網日本語版    2018年9月20日(木) 5時40分

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日中韓自由貿易協定は近年、構想の段階から交渉の段階へと発展し、これまでに交渉会合が10回以上開催されてきた。写真は深セン駅の羅湖税関。

日中韓自由貿易協定(FTA)は近年、構想の段階から交渉の段階へと発展し、これまでに交渉会合が10回以上開催されてきた。韓国通商情報協会の李昌雨副会長は「マクロな観点で見ると、国家間の伝統的な貿易においては、不必要なトラブルや混乱を避けるために基準が必要で、そのために誕生したのが世界貿易機関(WTO)だ。WTOの意義は貿易を基準化することで、FTAの意義は貿易をオリジナル化することだ。FTAの関係国が交渉を通してそれぞれの国の利益を最大化させるためのオリジナルの基準を制定し、伝統的な貿易とは異なる新しい貿易形態を作ることができる。日中韓FTAも3カ国が利益を受けることができるオリジナルの貿易形態だ」との見方を示した。経済日報が伝えた。

李副会長は、「まず、日中韓はいずれも世界において重要なエコノミーで、国内総生産(GDP)が非常に高く、人口も多く、貿易が盛んに行われている。日中韓FTAは、3カ国の自由貿易の発展だけでなく、経済発展も促進することになるだろう。次に、日中韓の貿易は盛んで、日中韓FTAは3カ国間の原材料、半製品、物流などの通関をめぐる問題を解決して円滑化する。そして、3カ国はそれぞれの優位性を発揮して、協力を強化し、その影響力は、第三国市場の開発にまで波及するだろう。例えば、3カ国の協力は、『一帯一路』(the Belt and Road)関係国のインフラ整備を促進する。最後に、3カ国の人的資源の流動を促進し、3カ国に発展のために必要な人材を提供することができるようになる」との見方を示す。

民生という観点から見ると、日中韓は現在、雇用創出を大々的に推進している。日中韓FTAは雇用創出の促進に資する。3カ国の貿易は雇用創出につながるだけでなく、3カ国の往来が増えると、新しい分野で人材の需要が生まれる。韓国のサービス業を例にすると、以前、韓国国内のバーテンダーはそれほど多くなく、カクテルの種類も単一的だった。しかし、韓国が他の国と調印するFTAが増加するにつれ、各国の特産品が韓国に入って来るようになり、韓国国内にも多種多様な新型バーテンダーの職業が出現するようになり、職業の種類も豊富になって、雇用が創出された。FTAは物価の安定にも良い影響を与える。例えば、FTAが発効すると、輸入商品の関税が下がり、価格も自然と下がる。また、輸入原材料の価格や物流コストなども下がり、国内企業の生産コストも下がり、最終的に商品の価格も下がる。その他、FTAは日中韓の国内消費財の種類を一層豊富にし、消費者の買い物の際の選択肢も増える。通販サイトにおける海外の商品の購入もしやすくなる。

李副会長は、「現在、日中韓FTAの締結に近づいている」と日中韓FTAの締結に楽観的な姿勢を示しつつ、「日中韓は意見の違いを縮めるために、さらに努力しなければならない。そして、交渉において、農業をめぐる問題、知的財産権、人材の流動、雇用創出、先端技術の保護など、敏感な問題を適切に解決しなければならない。その他、日中韓は現在、日中韓FTAを推進し、活用できるよう、前もって周到な準備をしておかなければならない。なかでも、関連の人材の育成は非常に重要なポイントだ。現在、経済専門家はたくさんいるが、FTAを研究している専門家は不足している。FTA関連の各分野の人材を育成することは、FTAにとって非常に重要だ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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