スーパーで客が激怒「ウィーチャット使えない年寄りをばかにするのか」、メディア「現金受け取り拒否は違法」と指摘―中国

Record China    2018年9月26日(水) 13時10分

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黒龍江省内の商店で、男性が現金の支払いを拒絶されたことで店側とトラブルになった。男性は興奮して「オレがウィーチャット使えないとばかにするのか」などと叫んだ。

中国ではスマートフォンによる代金支払い、いわゆるスマホ決済が広く普及している。中国メディアの観察者によると、黒龍江省内の商店で、男性が現金の支払いを拒絶されたことで店側とトラブルになった。男性は興奮して「ウィーチャットが使えない年寄りをばかにするのか」などと叫び続けた。

ウィーチャット(微信、ウェイシン)は大手インターネットサービス企業のテンセント(騰訊)が提供するSNSプラットフォームだ。関連サービスとして、スマホ決済のウィーチャットペイ(微信支付、ウェイシン・ジーフー)を設けている。中国で最も普及したスマホ決済手段の一つだ。

観察者によると、黒龍江鶏西市内のスーパーで23日、男性客と店側でトラブルが発生した。男性は67歳で、ブドウを1キログラム購入しようとした。料金は8.8元(約145円)で、高額の買い物ではない。

男性は支払いのために列に並んだ。かなり長い間、待たされたという。ところが自分の番になってから店員に「現金は受け取れない」と告げられた。これに対して男性は怒り、「あんたが現金を受けとらないなら、俺はこのまま行ってしまうぞ」と告げた。店員は「できるものなら、行ってしまえばよい」と言い返した。男性に対応したのは若い女性店員だった。

男性がブドウを持ってそのまま店の出口のところまで行ったところで、警備員4人が駆けつけて男性と言い争いになった。男性は激怒し、多少の「こづきあい」も発生した。

男性は「この店は人を馬鹿にしている」などとも叫んだ。女性店員の言葉にも、相当に腹が立ったようだ。警備員の男性4人は、時おり「ムッとした」表情を示しつつも、男性がそれ以上に興奮しないように自らを抑制しているように見えた。

警備員らは、現金も扱う別のレジで支払いを済ませるよう言ったが、男性の怒りは収まらない。「現金を扱わないレジがあるのは知っている。でも、(自分が並んだレジに)現金は受け取れないと表示していないじゃないか」「私の持っている人民元は偽金じゃないんだ」などと言い続けた。

結局、警備員が手助けして、男性は現金で支払いを済ませた。男性はそれでも怒り続け、「ウィーチャットが使えない年寄りを馬鹿にするのか」などと言い続けた。

中国でスマホ決済が急速に普及した大きな要因としては偽札の横行があるという。偽札をつかまされることを避けるため、商店側がスマホ決済の導入に積極的になったというものだ。よく似た事例としては、2000年ごろからのオンラインゲームの普及がある。パッケージ式のゲームでは海賊版が出回るので、ゲーム会社がオンラインゲームに力を入れたという構図だ。

中国当局は決済に当たっての「現金受け取り拒否」を問題視している。中国人民銀行(中央銀行)は7月に「いかなる組織、個人であっても約款、通知、声明などで現金の支払いを拒絶することはできない。人民元の法定地位を損傷することはできない」との声明を発表した。

中華人民共和国銀行法は、「中華人民共和国の領土内では、すべての公共または個人の債務について人民元で決済し、いかなる組織も個人も(人民元による支払いの)受け取りを拒否することはできない」(第16条)と定めている。(翻訳・編集/如月隼人

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