Record China 2018年10月3日(水) 6時50分
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1日、中国メディア・環球網は、「中国人が貯金をしなくなっている」として記事を掲載した。資料写真。
2018年10月1日、中国メディア・環球網は、中国人民銀行(中央銀行)が公表した「今年8月の金融機関の各種預金残高増加率が約40年ぶりに9%を下回った」とするデータを引用し、「中国人が貯金をしなくなっている」として記事を掲載した。
記事によると、国民の預金率の減少はより深刻なようで、2008年から18年までのたった10年間で18%から7%にまで減少したことが伝えられている。
次に、黒竜江省の張さんの事例を紹介。張さんは長年節約を続けてきたが、退職後は年に5~6回は海外旅行へ出かけ、ついには海南島の三亜市に不動産を購入。銀行の預金残高は「数万元のみ」という。
記事は、張さんの生活は「現在の中国人の消費傾向そのもの」と伝えている。国民は貯金よりも買い物、資産運用や不動産にお金を使い、これが「経済成長を推進する起爆剤となっている」としている。
記事によると、アリババ(阿里巴巴)傘下の「余額宝」を含むマネー・マーケット・ファンド(MMF)の収益率は今年に入って低迷が続いている。余額宝は9月末、年収益率が3%を下回って2.81%となり、銀行の金融商品の収益率も減少が続いているという。この影響を受けて、国民の預金率は「回復」しないのだろうか。
記事は、近年MMFで資産運用する若者が増加していることを紹介。「銀行より金利も使い勝手も良いから」だという。今年6月までに、余額宝の資産運営会社である天弘基金管理の資金規模は1兆4000億元(約23兆2000億円)を超えたと伝えた。
さらに記事はデータ分析会社Windが公表した「MMFの資産規模は2017年末の7兆1000億元から18年8月の8兆4000億元にまで増加した」というデータを紹介。預金率減少の大きな要因と言えるとした。
不動産にも注目すべきである。記事によると、今年上半期、中国の26の上場銀行のうち19の銀行で不動産貸出残高が昨年同時期を上回った。中国人民銀行も、8月の融資額は1兆2800億元と公表し、「住宅部分が7012億元増加した」としている。
専門家は「預金率の低下は、社会全体の債務返済圧力を増大させ、国家金融のリスク耐性を下げる」と危惧しているという。一方で記事は、中国人民大学が公表した報告書を引用し「預金増加率の鈍化が将来常態化しても過度な心配は必要ない。預金率の低下は言い換えれば大量に資産運用できる要素があるということで、国民の投資チャネルが増えている」という楽観的な意見も伝えている。(翻訳・編集/和田)
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