中国共産党の公式文書から「毛沢東思想」が消えた!反日デモがきっかけか―香港誌

Record China    2012年10月3日(水) 13時2分

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1日、香港誌は、党中央政治局会議の報告から「毛沢東思想」という文言が消えていたことに着目。反日デモで多くの参加者が毛沢東の肖像画を掲げ、現政権に対する不満を表したことへの警戒心の表れと指摘した。写真は9月、毛沢東の肖像画の掛け替えが行われた天安門。

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2012年10月1日、香港誌・明鏡月刊は、中国共産党中央政治局会議が9月28日に公式に発表した報告のなかで、これまで必ず使用されてきた「毛沢東思想」という文言が消えていたことに着目。これは、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる反日デモで、毛沢東の肖像画を掲げ、現政権に対する不満を表した参加者が多数現れたことに対する警戒心によるものと指摘している。

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中国共産党の公式文書にはこれまで、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論、江沢民(ジアン・ザーミン)前国家主席(党総書記)の「3つの代表」思想、胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席の「科学的発展観」が1つも欠かさず列挙されてきた。

ところが、同会議が発表した「中国共産党第18回全国代表大会を11月8日北京にて開催」と「中央政治局会議で薄熙来(ボー・シーライ)の党籍はく奪と公職除名を決定」の2つの文書では、「トウ小平理論」と「3つの代表」のみが使われ、マルクス・レーニン主義と毛沢東思想の2つが消えていた。

しかし、習近平(シー・ジンピン)国家副主席が9月1日に党中央学校で行った講話では、4回も「毛沢東」「毛主席」「毛沢東思想」という言葉を発している。わずか1カ月たらずの間にこれほど大きな方針転換が行われたことについて、政治アナリストは「反日デモのなかで、多くの若者が毛沢東の肖像画を掲げながら『毛沢東よ!戻ってくれ!』と叫び、現指導者への不満を訴えたことに中央政府が強い警戒の念を抱いているため」と指摘した。

また、別の評論家は「毛沢東と毛沢東思想をどのように扱うかについて、中央政府がある種の戦略的合意に達したことの表れ」と見ている。これは、中国当局が「何を言ったか」よりも「何を言わなくなったか」に注意を寄せることで、より多くの情報を読み取ることができる典型例の1つといえよう。(翻訳・編集/本郷)

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