村上春樹氏がノーベル賞を受賞しなかったのは「あまりにも売れすぎたから」―中国メディア

Record China    2012年10月13日(土) 13時47分

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11日、ノーベル文学賞の最有力候補だった村上春樹氏が受賞を逃したのは「世界であまりにもベストセラーになったせいだ」と北京大学の張頤武教授が指摘した。写真は受賞した莫言氏の写真を掲げる江蘇省の学生。

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2012年10月11日、香港フェニックステレビ(鳳凰衛視)の番組「鳳凰全球連線」は北京大学中国語言文学学科の張頤武(ジャン・イーウー)教授をゲストに招き、今年のノーベル文学賞を受賞した中国の莫言(モー・イエン)氏と、同氏と並んで有力候補の1人だった日本の村上春樹氏について紹介した。

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ノーベル文学賞の発表までに、中国の多くのネットユーザーが莫氏と村上氏を比較して活発に論議していたことについて、張教授は「とても興味深い。村上氏の作品は莫氏の作品よりもよく売れていて、世界の若者に与えた影響は莫氏より大きい。だが、このことが村上氏のノーベル賞受賞の妨げになっている。あまりにもベストセラーになると、往々にしてそれが障害になる」と指摘した。

「村上氏は日本人だが、それは受賞とは関係ない。村上氏の作品は中国でも非常に人気が高く、作品を翻訳した林少華(リン・シャオホア)氏までもが中国で有名になったほどだ。だが、実際はそのことが村上氏の受賞の邪魔をしている。なぜならノーベル文学賞は、現代主義的な複雑な技巧と、人間性に対する非常に微妙な表現が必要だからだ。莫氏はその両者をより深く掘り下げていたし、中国民族の奥深いところにまで入り込む能力が非常に強かった」と莫氏の受賞を解説した。

張教授はさらに、「莫氏は中国では絶対的な純文学作家であり、海外の純文学圏内でも同様だ。日中両国の文学コンペがあったとして、村上氏と莫氏が必ずしも双方の代表となるわけではないが、この2人の存在から、純文学の賞というものがいかに微妙で、目で見ることもできず、言葉で表すこともできない曖昧な基準で成り立っているかがわかる」と発言。同時に、「あまりにも本が売れることは、かえって受賞の妨げになるということを説明している」と語った。(翻訳・編集/本郷)

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