Record China 2018年10月22日(月) 0時20分
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中国各地で名門医療機関として有名な「協和医院」の名が使われているが、北京協和医院など3カ所以外はすべて偽物という。写真は北京協和医院の旧入口。
中国メディアの健康時報(電子版)は20日、中国各地で名門医療機関として有名な「協和医院」の名が使われているが、3カ所以外はすべて偽物と紹介した。勝手に「協和医院」の名を使っている組織は1700カ所以上あるという。
「協和医院」の本家であり元祖である存在は、北京市東城区にある北京協和医院だ。米ロックフェラー財団が1917年に創設した。中国で最も歴史の長い近代的病院でもあり、現在も中国最高峰の医療機関とされている。
なお、日本とは異なり中国では大規模な医療機関も「医院(イーユエン)」と呼ばれる。「医を施す場所だから医院」との語感だ。
健康時報によると、中国国内で「協和医院」の名を使っておかしくないのは、北京協和医院と、同医院と歴史的な関係があった「華中科技大学同済医学因武漢協和医院」と、「福建医科大学附属協和医院」だけだ。つまり、「協和医院」と称するその他の組織はすべて、名称を「パクって」いることになる。
記事によると、「協和医院」で企業検索したところ、「1728社」がヒットしたという。中国国内で北京協和医院が名称使用を許可したり、協力関係にある医療機関はない。記事によると、「協和医院」の名を使っている企業で、設立が2015年とされている例もあった。
「協和医院」と称する団体は「医院」でさえない場合もある。記事によると、中国政府・工商部のドメイン管理システムを使って調べると、正規の大規模病院の場合、組織分類として「事業単位」と表示される。正規の病院でない場合には「個人」や「企業」と示されるという。
「協和医院」以外にも、名称をパクられている医療機関は多い。記事によると、軍関係の病院の名も好んで使われているという。軍は早い時期から、附属する医療機関を充実させてきたとの定評があるからと考えられる。共産党の高級幹部などが病気になった際にも、軍関係の病院を利用することが多い。
「協和医院」の名を使うにしろ、軍関係病院の名をパクにしろ、自らを積極的にアピールする目的は患者、つまり広告だ。しかし軍関係の医療機関は公告行為が禁止されている。記事は、インターネットであり紙媒体であれ、軍関連の名称を使う「医療機関」が広告を出していた場合、「間違いなく違法行為によるパクリ病院」と断じた。
有名芸能人が、悪質なパクリ病院の「イメージキャラクター」として使われている場合もある。しかし記事は、芸能人自身には罪がない場合が多いと紹介。自分自身が知らないうちに、勝手に使われているためで、医療関連を巡る権利侵害の紛争は多くの場合、芸能スターがらみという。
記事はその上で、女優の趙麗穎さんが、福建省の医療機関に自分の写真を勝手に使われ、自分が同医療機関で美容整形手術を受けたとの事実でない情報を広められたとして告訴し、裁判所が「医療機関」側に、公開の謝罪と賠償金3万3000元(約54万円)の支払いを命ずる判決を言い渡した事例を紹介した。(翻訳・編集/如月隼人)
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