日中は正しい軌道に回帰、ただし「もっと歩み寄る必要ある」=中国・人民日報

Record China    2018年10月27日(土) 21時54分

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中国共産党機関紙の人民日報は安倍首相と習近平国家主席の26日の会談を受け、27日付海外版1面に「日中両国の関係は正常な軌道に戻りつつ」あると評した上で、「さらに歩み寄る必要がある」と主張する論説記事を掲載した。

中国共産党機関紙の人民日報は安倍首相と習近平国家主席の26日の会談を受け、27日付海外版1面に「日中両国の関係は正常な軌道に戻りつつ」あると評した上で、「さらに歩み寄る必要がある」と主張する論説記事を掲載した。

記事は、「日本側は近年来、ハイレベル交流の回復を期待し、両国関係を正しい軌道に戻したいとの希望を何度も示してきた」と説明。双方の意思疎通の努力を経て、今年(2018年)になってからは5月の李克強首相の訪日、9月にウラジオストクで東方経済フォーラムが開催された際には習近平国家主席と安倍首相の会談が実現し、今回は安倍首相が公式訪中することになったと指摘。「水が流れれば、そこが水路になる」との例えを用いて、日中の関係回復について、継続された努力が奏功したとの見方を示した。

記事は、安倍首相と習近平主席の会談全般について、双方が政治の基盤を固め、相互信頼を増進し、対立点については適切に制御することを希望することを示したと論評。

さらに、会談の成果を見れば、中国側が進める「一帯一路」構想について、日中が共に建設することが両国協力の重点とすることで双方が一致したと説明。両国が共同で第三国市場を開発することで双方が広い分野に渡り協力を強化する意向を示したと指摘。

第三国市場の開発についてはさらに「昨今の世界の情勢変化におけるマイナス要素について、中国側は(日中)両国で共に受けて立ち、多国間主義を維持し、開放型の世界経済の建設推進を呼びかかた」と主張。安倍首相の訪中期間中の26日に開催された第1回日中第三国市場協力フォーラムにも日中の財界人ら1000人以上が出席し、50件以上の協力覚え書きが締結されたと紹介した。

記事はさらに、安倍首相が訪中前のインタビューで、中国の経済成長を極めて高く評価し、中国経済の発展は日本及び世界にとって巨大なチャンスとの考えを示したと紹介。「日本側が打ち出した善意と提案に対し、中国は積極的に応えて双方の利益に合致させる」と主張した。

記事は最後の部分で、「中日関係の長期で安定した健全な発展は、両国の根本的な利益に合致する。同時に、本地区(東アジア)と国際社会が普遍的に期待することでもある」「安倍首相の訪中は双方の関係発展の重要な契機であり、中日両国は今後も継続しさらに歩み寄らねばならない。歴史と現実は、協力とウィン・ウィン、積極的な相互の働きかけこそが、両国にとって唯一の正しい選択であることを証明している」と論じた。

なお、記事は直接触れていないが、険悪化した日中関係に対し、2016年後半ごろからは具体的な改善を目指す動きが始まったの見方が強い。その意味で、2018年になって活発化した両国首脳の積極的な交流は、それ以前から進められてきた双方関係者の努力の結果と理解してよい。(翻訳・編集/如月隼人

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