2012年10月25日、新華社によると、中国国務院の温家宝首相は24日に国務院常務会議を開催し、「エネルギー発展の第12次5カ年計画」を審議可決した。また、「原子力発電安全計画（2011−2020年）」と「原子力発電中長期発展計画（2011−2020年）」を改めて審議可決した。

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▽通常の原発建設を緩やかに回復

同会議では、昨年3月以来、運転中および建設中の原子力発電ユニットに対して総合的な安全検査が行われ、これを土台として国務院は2つの計画について2度目の審議を行い、原発の安全と発展に向き合ってきたこと、こうした態度は非常に厳粛かつ慎重であることが指摘された。

また、現在と今後の原発建設について次のような計画が打ち出された。

（1）通常の原発建設を緩やかに回復させる。建設のリズムを合理的に把握し、安定的に秩序をもって進める。

（2）プロジェクトを科学的に配置する。第12次五カ年計画（2011−15年）期間には沿海地域で少数の、十分な論証を経た原発プロジェクトの建設用地についてのみ計画を進め、内陸部でのプロジェクトは計画しない。

（3）原発産業への参入のハードルを高める。世界で最も厳しい安全基準に則って新たな原発プロジェクトを行う。新たに原発ユニットを建設する場合は、「三代の安全基準」に合致しなければならない。

▽稼働中・建設中の原発ユニットに引き続き安全対策を

同会議では、安全こそが原発の生命線であることが強調された。原発の発展では、環境面での安全性、人々の健康、社会の調和を確保するという全面的な要求を踏まえ、安全第一の方針を計画、建設、運転、廃止の全プロセスおよび関連の産業全体に反映させなければならない。最先端の成熟した技術を用いて、稼働中・建設中の原発について安全対策を継続的に行い、中国の既存の原発ユニットの安全性を絶えず高めなくてはならない。また、原発の安全管理を全面的に強化しなくてはならない。

▽専門家の分析

「国内の原発建設が正式に再スタートする」

ある業界関係者の分析によると、原発をめぐる2つの計画の発表は、昨年3月に福島で原発の放射性物質漏洩事故が起こってから停止していた中国国内の原発建設が正式に再スタートを切ったことを示すものだという。

現在、中国は建設中の原発の規模では世界最大だ。福島の事故の後、中国では原発プロジェクトの審査や認可がストップし、一連の原発について安全検査が行われてきた。

国務院は今年5月、修正を経た「原子力安全計画」の意見募集稿を原則として可決した。だが原発プロジェクトがいつ再開するかは懸案事項として残されていた。（提供/人民網日本語版・編集/TF）