Record China 2018年11月23日(金) 14時40分
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中国人女性を対象にした美容についての意識と支出金額についてのアンケートで、中国人女性は「ムダ毛処理・脱毛」や入浴の美容効果を重視しない傾向が分かった。写真は「時代劇のために生まれた美女」などと評価される中国人女優のジュー・ジンイーさん。
市場調査や事業成長支援サービスを行うヴァリューズ(本社・東京都港区)は20日、中国人女性を対象にして中国で実施した美容についての意識と支出金額についてのインターネット調査の結果を発表した。中国人女性は肌や髪の毛の手入れを大切にする一方、「ムダ毛処理・脱毛」や入浴の美容効果を重視しない傾向が分かった。
中国の大手市場調査会社モニター会員のうち、越境ECの利用習慣があり、かつ過去1年間に訪日経験のある中国人女性1059人を調査対象者とした。回答期間は6月28日~7月9日。
「美容のために意識していること」を尋ねたところ、第1位は「顔のスキンンケア」(87.1%)で、第2~6位は「UV対策」(83.7%)、「ヘアケア・頭皮ケア」(71.5%)、「保湿・加湿」(70.6%)、「ボディのスキンケア」(67.2%)、「水分をしっかりとる」(64.7%)だった。
第7位以下でも、「運動・ストレッチ・筋トレをする」「7時間以上の睡眠」「体重管理」「1日3食食べる」は5割以上の回答者が選択した。頭髪や肌に対する直接の働きかけだけでなく、睡眠や食事など、健康維持と美容を結びつける人も多いことが分かった。
一方で、日本人女性ならばかなり気にすると思われる「ムダ毛処理、脱毛」は、19通り設けた選択肢の中で最も少ない20.5%の人しか選択しなかった。その次に選択した人が少なかったのは「入浴する」で21.6%だった。
入浴については、中国人の一般家庭では「浴室」があってもバスタブがない場合も多く、日本人のように「温かいお湯にゆったりとつかり、血行をよくしたり心身ともにリラックスする」という美容効果に結びつける発想が出にくいのかもしれない。
「ムダ毛処理、脱毛」に対する意識の低さは不明。ただし、年齢別にみると同項目を選択した人の割合が24歳以下では38.7%と相対的に高く、年齢が高まるごとに低下して、40歳以上ではわずか3.1%だった。
一方で、「ヘアケア・頭皮ケア」を選択した人は35歳未満の年代で全て69%台だったが、35~40歳未満は75.6%、40歳以上で78.1%と割合が増加した。年齢が増すごとに髪の質の維持が気になるということで、自然な結果と言えそうだ。
化粧品に対する年代別支出額では女性全体の平均が1カ月当たり日本円換算で1万4718円だった。30~35歳未満がピークで、24歳以下では1万5559円、25~30歳未満では1万5618円、30~35歳未満では1万6287円、35~40歳未満では1万2522円、40歳以上は1万467円だった。
中国では、「年配の人は無駄な出費を嫌い、若い人は豊富な消費生活を求める傾向がある」とされる。年配の人が出費に抑制的なのは、若いころに貧しい生活を経験したり、貧しい生活の経験をした親に教育された影響とされる。一方で、幼少時からさまざまな商品に囲まれて育った若い世代は、気に入った商品やサービスを手に入れるためなら、出費を厭わないとされる。
現在40歳の人はおおむね文化大革命が終了した翌年の1978年の生まれだ。生活における余裕が急増した1980年代後半から90年代後半にかけて10代を過ごしたわけが、それでも節約志向が残っている可能性がある。
「ムダ毛処理、脱毛」を選択した人が若い世代ほど多かったことも、豊かな消費生活に慣れ親しんだ人が関心も高めつつあると理解することができる。また日本人と同様に、暑い季節などには若い世代の方が露出度の高い衣服を身に着けることが多いことも、「ムダ毛」を意識する一因になっている可能性がある。
30~35歳未満の女性が化粧品に投じる金額が大きいことには、30代になり「若さの維持」に対する意識が強くなったこと以外に、20代のころに比べれば所得が向上し、化粧品に使える金額も増えたことも考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)
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