2012年11月22日、震災の被災地を訪れた中国の温家宝（ウェン・ジアバオ）首相に対して陳情した地元住民が、公安局に拘束されていたことが分かった。新京報の報道。

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雲南省昭通市彝良県では9月7日、マグニチュード5．7の地震が発生。数百人が犠牲となった。翌朝、温家宝首相はさっそく被災地を視察に訪れた。その際に村人数十人が、現地の土地収用問題について温首相に現状を訴えようと、道端にひざまずいて陣取っていた。温首相の乗った車が通過する際、彼らは思いのたけを訴えた。その時間、わずか3分。温首相は、「農民の基本的権利を保障します。真剣に状況の把握に努め、満足のいく対応を考慮します」と応じたという。

しかしその2カ月後となる11月19日の夜。胡継飛（フー・ジーフェイ）さんの家に彝良県公安局の職員ら10数人がやってきて、「あなたの妻を拘束した」という。理由は、陳情を行った際に温首相の車両をはじめとする30台あまりの政府関係車両に対して通行を妨害し、20数分にわたる交通渋滞を引き起こしたこと、これによって、行政に対して重大な影響を、社会に対して劣悪な影響を及ぼしたことだという。

翌20日、1000元（約1万3000円）の保釈金を払って保釈されたのは、梁永蘭（リャン・ヨンラン）さん（29歳）。「家庭に要介護の高齢者がおり、労働力が不足しているため」との理由で、7日間の拘留期間を短縮された。彼女の説明によると、問題の騒動では温首相自らが「何か話したいことがあるのですか？」と質問してくれたのだという。そこで、近ごろ地元の肥沃（ひよく）な農地があまりに安い値段で買いたたかれていく惨状を説明し、「生活の手段が奪われていく」と訴えると、温首相は改善策を打ち出すことを約束し、数人の農民らと握手をして別れた。その後、地元政府や公安関係者が何度か彼女を訪ね、「温首相に何を言ったのか？」としつこく聞かれたという。19日夜の拘束は突然で、有無を言わさぬものだった。(翻訳・編集/愛玉)

※＜本日の中国TOPニュース＞では、中国の大手主要ポータルサイトによるニュースアクセスランキングから、注目の一記事をピックアップする。本記事は2012年11月22日付の新浪（Sina）ランキング1位の記事。