Record China 2018年12月3日(月) 11時40分
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中国のマラソン大会で、またしてもゴール間際のランナーに国旗が手渡された。批判が相次ぐ中での同様の行為にネット世論もあきれている。
12月2日に行われた南寧国際マラソンで、中国選手中トップの程乾育(チョン・ガンユー)は国旗を掲げながらゴールした。国旗はゴールの数百メートル手前で、沿道にいたスタッフから手渡された。
中国では最近、マラソン大会でゴール間際のランナーに国旗を手渡しする行為が物議を醸している。発端は11月18日に蘇州市で行われた女子マラソンだ。ゴールまで数百メートルというところでアフリカ人選手とデッドヒートを繰り広げる何引麗(ハー・インリー)に、コースに進入したボランティアが国旗を手渡した。これによりペースを乱された何は失速。その後、国旗を投げ捨てて追走したが、結局及ばなかった。
後に中国のマラソン大会の規定で、中国選手の中でトップでゴールする選手は国旗を持ってゴールするという取り決めがなされていたことが発覚すると、中国国営メディアや専門家、ネット世論から批判が噴出する事態に。
中国中央テレビ(CCTV)は、国旗を投げ捨てた何引麗を批判する声があることについて、「一部のブロガーや自メディア(新興メディア)は、過度な道徳を押し付けているきらいがある。選手は試合の中でより良い成績を残してこそ、祖国の栄誉となる」と論じ、スポーツコンサルタント会社の総裁を務める張慶(ジャン・チン)氏も「ゴールする前にコース内に国旗を届けることは許されない違反行為。ルールを破壊するのは『愛国』ではなく『害国』」と断じた。22日には、中国陸上協会が国旗の手渡しを自粛するよう呼び掛ける文書を発表した。
しかし、同様の行為は繰り返される。蘇州マラソンから1週間後の25日に浙江省紹興市で開催された男子マラソン大会でまたしてもゴール間際のランナーに国旗が手渡された。さらに1週間後の南寧での大会でも三たび発生。この2大会では順位に影響はなかったようだが、中国メディアは「運営側のプロ意識の欠如を露呈しただけでなく、大会中の多くの慣例が形だけのショーになっていることを証明した。このようなショーに良いことはない」と批判した。
国営メディアや陸上協会の指摘や警告を「無視」して繰り返される慣例に、中国のネット世論もうんざりといった様子で「また同じ過ちを…」「間違いと知っていながらそれでもやる。小学生みたいだ」「脳みそのない愛国」「形式主義が骨の髄まで染みついているんだな」などの声が並ぶ。また、中には「中国のマラソンの本質。それは、政府主導の政治的な功績、企業の広告宣伝、選手のSNS映え、(招待された)黒人選手の稼ぎ場所」と鋭く指摘する声も上がった。
マラソン大会では運営側の問題だけでなく、ランナーについてもショートカットや替え玉など大量の不正が発覚、処分される事態が相次いでいる。中国のマラソンを巡る騒動は今後も尾を引きそうだ。(北田)
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