人民網日本語版 2018年12月5日(水) 22時20分
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上海の語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部は今月3日、2018年「流行語トップ10」を発表した。
上海の語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部は今月3日、2018年「流行語トップ10」を発表した。今年は「命運共同体(運命共同体)」、「錦鯉(強運の持ち主)」、「店小二(給仕)」、「教科書式(マニュアル通り)」、「官宣(公式発表)」、「確認過眼神(一目見て分かった)」、「退群(グループ退会)」、「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」、「巨嬰(巨大児)」、「杠精(へそ曲がり)」が選ばれた。
「咬文嚼字」の黄安靖・編集長によると、今年の「流行語トップ10」を見ると、「運命共同体」などの政治関連ワードを除き、一般的なワードはこれまでのような爆発的な流行とはなっておらず、社会全体で爆発的な人気を誇り、誰もが注目するような流行語は少なく、そのほとんどがある限定されたグループの間で流行した「局部的流行語」だとしている。
編集部はその原因として以下の3つを挙げている。
1.交流ツールの変化
数年前までは開放的なプラットフォームである微博(ウェイボー)を利用している人が多かった。そこでは誰もが書き込みを行うことができるため、ネットユーザーたちがその「文才」をいかんなく発揮していた。しかしここ数年は微信(WeChat)という比較的閉鎖的なプラットフォームを利用する人が増えており、そのほとんどが知り合い同士の交流の場となるため、その発言などにも気を遣う必要が生じている。そのため微博上での交流と比べると、言葉の点では制限を受けることになる。
2. 社会ガバナンス体制の整備進む
社会ガバナンス体制の整備が進み、突発的に起きる事件が減ったほか、こうした社会問題に対して、多くの人が理性的に対応するようになっている。
3. ネットユーザーのモラル向上
ネットユーザーがますます成熟し、その発言は理性的になり、モラルも向上している。そのため非理性的でモラルに欠けるような言葉も減少の一途をたどっている。
そしてこれまで同様、今年選出された流行語もその使用頻度統計と完全にはマッチしていない。「咬文嚼字」の王敏総経理によると、「大猪蹄子(宿六)」や「土味情話(ベタな愛のささやき)」などの言葉は使用頻度は高いものの、編集部は、「見て笑ってすぐ忘れてしまう」ような言葉ではなく、できるだけ長く使われ、創造性のある言葉を選ぶことを目指しており、「それが同雑誌の責任でもある」としている。
黄編集長によると、「咬文嚼字」の「流行語トップ10」選出には2つの大きな原則があるとしている。
言語学的価値という観点から見ると、「官宣(公式発表)」や「杠精(へそ曲がり)」、「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」などは、どれも漢字の新たな組み合わせとなる。一方、「退群(グループ退会)」や「巨嬰(巨大児)」、「錦鯉(強運の持ち主)」、「店小二(給仕)」などは以前からあった言葉であるものの、斬新な意味が込められるようになった言葉であり、「確認過眼神(一目見て分かった)」や「教科書式(マニュアル通り)」は、中国語の斬新な使い方と言える。
社会学的価値から見ると、「退群(グループ退会)」という言葉が流行したということは、国民が国際的なニュースに注目していること、「錦鯉(強運の持ち主)」という言葉の流行は、新時代において、人々が素晴らしい生活にあこがれていることをそれぞれ反映している。また、「巨嬰(巨大児)」や「杠精(へそ曲がり)」という言葉の流行は、人々の正しい価値観を反映し、モラルに欠けた事件や理性に欠けた行為への反省や批判であるといえる。
編集部は、「流行語は世相を映す鏡と言え、そこからリアルな世相を垣間見ることができる。そして、時代の特徴と密接な関係があり、民情や民意を正確に反映し、前向きで健全な社会的価値観を発揚しているというのが、流行語を選出する際の社会学的原則。流行語トップ10を選出するということは、社会にそれらの言葉をPRすることなので、正しい価値観を発信したい」としている。(編集KN)
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