Record China 2012年11月28日(水) 17時46分
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27日、ファーストリテイリングの柳井正社長の「中国を捨てれば、日本の『老衰』が早まる」という発言を受け、台湾の蔡増家政治大学国際関係センターアジア太平洋所長は、「日本政府が目を背けたがる3つの真実」というコラムを掲載した。資料写真。
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2012年11月27日、台湾・中国時報によると、ファーストリテイリングの柳井正社長による「中国を捨てれば、日本の『老衰』が早まる」という発言を受け、台湾の蔡増家(ツァイ・ズンジア)政治大学国際関係センターアジア太平洋所長が、「日本政府が目を背けたがる3つの真実」というコラムを寄稿した。以下はその内容。
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一つ目は、日本は少しずつ中国市場への依存が進んでいるという点だ。1970年代から1997年のアジア金融危機までは、東南アジアが日本企業の主な投資先だったが、2000年以降は中国が最良の投資先となり、戦後二番目となる海外投資ブームとなった。このことは現在、中国が最大の投資先となっていることからもはっきり見いだせる。
日本国内が長期的な消費不振にある中、経済の復活を目指すのであれば、広大な中国市場を上手く利用する必要がある。釣魚島(尖閣諸島)の主権争いのために中国市場を放棄するとすれば、代替となる市場のない中で、日本の輸出はさらに衰退することになる。このことは昨今日本政府が東南アジア市場への投資を奨励しているにもかかわらず、日本企業に積極的な動きがみられない最大の原因でもある。
二つ目は、日本がすでに大国ではないということだ。大国には、政治的、経済的影響力が求められるが、1990年のバブル崩壊後、日本は失われた20年に落ち込み、今は失われた30年に突入しつつある。この20数年で中国経済が台頭し、韓国ブランドが猛烈な追い上げをみせた。ソニーがサムソンに追い越され、中国が日本に代わって世界第二位の経済大国となったことからも明らかである。
三つ目は、行政の指導力の衰退だ。官僚、政治家、大企業からなる鉄のトライアングルが戦後の日本経済成長の推進力だった。政府は企業の資金源を抑え、政策に従わせてきた。だが、自由化後に企業は資金源を外に求めるようになり、政府の指導に耳を貸さなくなった。だが、政府は情勢の変化を知ることなく、企業が既定の政策に従うものだと思い込んでいる。
日本政府も、経済が没落に向かっていること、企業に対する指導力が失われたことに気づいているが、右翼たちのナショナリズムに酔い、自分の目を塞いでしまっている。だが、嗅覚の鋭いビジネス界の人々は、国家経済の利益のありかを最も良く知っている。日本政府の政策に唯々諾々と従ってきた大企業が政府に「ノー」を突きつけるとき、政府は島一つが国全体の経済発展を放棄するのに値するのかどうか、反省をするべきだろう。(翻訳・編集/岡本悠馬)
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