中国の農村におけるトイレ革命の実態―中国メディア

Record China    2019年12月30日(月) 8時0分

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28日、中国紙・人民日報は、中国中央テレビ(CCTV)がこのほど、農村部におけるトイレ革命の実態について明らかにする番組を放送したことを伝えた。資料写真。

2019年12月28日、中国紙・人民日報は、中国中央テレビ(CCTV)がこのほど、習近平(シー・ジンピン)主席の推し進めるトイレ革命の農村部における実態について明らかにする番組を放送したことを伝えた。

CCTVの記者が取材したのは、安徽省阜陽市伍明鎮店集村。ここに住む高齢者の呉(ウー)さんの家にはトイレが2つある。1つは17年にトイレ革命で作られた新しいトイレで、もう1つは昔からあるトイレだ。だが新しいトイレには水道が通っておらず、密封された空間で換気の穴が1つあるだけで、においがきつく、使用していないという。

記者によると、この村ではほとんどの家に、呉さんの家と同様にトイレが2つあるが、トイレ革命で作られた新しいトイレはどこも使用されておらず、住民は古いトイレを使用し続けているという。その後、この村では村の幹部によって取材がさえぎられてしまった。

伍明鎮八里西劉村でも状況は同様で、トイレ革命で新たなトイレが作られた。トイレの建物の外にはプラスチックのタンクが埋めてあった。この村の住民は、トイレ建設時に「タンクの中身は自然となくなる」と説明を受けたと話している。

記者がこの新たなトイレの構造を調べたところ、トイレの排泄物はパイプを通して外に埋められた3つのプラスチックのタンクへ流れるようになっているが、その隣にある浄化槽とは連結しておらず、排出口もないことに気が付いた。つまり、浄化槽に入れることも出すこともできず、プラスチックタンクが満タンになっても行き場がないことになる。

記者は、付近のいくつかの村を取材しているが、どの家も新しいトイレは同様の設計で、そのほとんどが使用されていなかった。村民の王(ワン)さんの場合、古いトイレはすでに取り壊してしまったが、新しいトイレは完成からわずか数カ月で使えなくなってしまった。1つ目のプラスチックのタンクが満タンになり、2つ目と3つ目のタンクは空いているものの、間をつなぐパイプが詰まっているからだ。記者が調べたところ、このパイプは2つ目のタンクへ斜め上に向いた方向で取り付けられており、「非常に不合理な設計」であることが分かった。

張(ジャン)さんの家のトイレはさらにひどく、プラスチックのタンクを3つ埋めて上に排気管を付けただけで、浄化槽もトイレの建物も作らずに「完成」した。張さんによると、これは検査対策にすぎず、「政府や上層部に見せるだけの形式主義だ」と批判している。

村民は、古いトイレは村によって取り壊され、新たなトイレは使用できないため、外に自分で穴を掘って簡易トイレを作り、そこで用を足している。村の幹部は、上層部による検査の際、村民1人当たり200元(約3100円)を渡して、「どのように答えるべきか」を教えていた。

近年、トイレ革命は顕著な成果を収め、農村の衛生条件は大きく改善した。だが一部の村では、表面的には大々的な改革が行われたように見えても、実際にはインチキやいい加減な方法が行われており、ただのメンツプロジェクトになってしまっている。(翻訳・編集/山中)

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