韓国で開発された医療機器を韓国では使えない?厳しい規制に悩む韓国企業

Record China    2018年12月25日(火) 16時0分

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21日、韓国・朝鮮日報は「韓国ではスタートアップ企業により革新的な医療機器が相次ぎ開発されているが、厳しい規制のため国内ではまともに販売ができず、企業が海外に脱出するケースが多い」と報じた。写真はソウル。

2018年12月21日、韓国・朝鮮日報は「韓国ではスタートアップ企業により革新的な医療機器が相次ぎ開発されているが、厳しい規制のため国内ではまともに販売ができず、企業が海外に脱出するケースが多い」と報じた。

記事によると、韓国の「Sky Labs」が開発した指輪型の医療機器「CART」は、手の指に着用すると心拍などの生体信号を測定し、スマートフォンに送信してくれるというもの。不整脈など心臓の異常を早期に発見できる警報機のような機器だが、韓国では一般市民は購入できない。自宅で「CART」を使用している患者のデータを観察することは「遠隔モニタリング」に、異常兆候を感知し患者に知らせるのは「遠隔医療」にそれぞれ該当し、どちらも韓国では「違法行為」となるという。同社の代表は「革新的な機器を開発したのに、国内では使用できないと思うと、残念でならない」「来年、国内と海外で同時に医療機器許可を申請する予定だが、国内では病院内での使用にとどまりそうだ」と話している。

記事は「ヘルスケアを扱うスタートアップ企業は臨床研究でも成果を出しているが、いまだ緩和されない規制が足かせとなっている」と指摘している。医療法により遠隔診察は不可能で、遺伝子検査は医療機関のみに制限され、医療関連データの管理と使用も厳しいという。先月付の資料によると、グローバルに展開するヘルスケア分野のスタートアップ企業、上位100社のうち63社が、関連規制のため韓国内では完全な事業展開が不可能だという。ある企業の関係者は「韓国は医療規制が世界でも最も厳しい国の一つ」「国内で成功できるとは初めから考えていない」と話している。

この他、「YBRAIN」が開発した家庭用のうつ病治療機器も、海外では家庭で使用し、収集したデータを離れた所にいる医師に送り、遠隔診察と処方を受けることができるが、遠隔処方が違法行為となる韓国では、遠隔処方機能をなくした製品として販売されているためユーザーは通院しなければならないという。

こうしたスタートアップ企業は、医療規制が緩和されなければ、国内では「不完全な機器」しか販売できないことになるため、韓国内の規制を避けて相次ぎ海外へ脱出している。最初から韓国内での販売を諦め、米国をはじめとする海外市場への進出を焦点に置く企業もあるという。専門家からは「国民の健康に関わることだけに、全ての規制をなくすことはできないが、緩和が可能な規制は緩和する方向に政府が積極的に動くべきだ」と指摘する声が上がっているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「韓国で開発されたのに、韓国で買えないなんて」「測定や観察が医療行為だというなら家庭用の血圧計で血圧や脈拍を測るのも駄目だというのか?」「時代に逆行する規制は緩和すべきだ」「こういうのをサムスンがやればすぐ許可が出るんじゃないか?」「遠隔医療を認めないのは、医師たちが反対するからじゃないの?」など、批判の声が多く寄せられている。その他にも「病院をもうけさせるために、体が不自由な患者も通院させ、病床が足りず重病の患者も待機させるなんてまともではない。遠隔医療を法制化すべきだ」という指摘や、「機会があるなら、それが可能なら脱出した方がいい」という意見が見られた。(翻訳・編集/麻江)

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