Record China 2012年12月1日(土) 21時59分
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11月30日、国から補助金として支給された3元が、子どもたちの手元に届いた時には、牛乳1パックとミニパン1個になっている。写真は浙江省の農村の学校給食。
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2012年11月30日、「国から補助金として支給された3元(約40円)が、子どもたちの手元に届いた時には、牛乳1パックとミニパン1個になっている」―。中国農村部の小学校で教育支援として教壇に立つボランティア教師がこのほど、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」に学校給食の厳しい現状を公開し、大きな議論を呼んでいる。
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■農村部の「給食」の現状、補助金の3割以上が販売業者に
湖南省鳳凰市臘璽山鎮にある所徳小学校には約110人の児童が通っている。現地教師はわずか3人で、残り3人はボランティアの教師だ。この小学校でボランティア教師として働く大学生の梁さんは最近、「国から補助金として支給された3元が、子どもたちの手元に届いた時には、1パックの牛乳と1個のミニパンになっている」とミニブログに書き込み、学校給食の現状を公開した。
梁さんによると、パンは直径6センチ、厚さ1.5センチ。現地の小売業者によると、牛乳の卸値は1パック1.6元(約21円)、ミニパンは0.3元(約3.9円)。これをもとに試算すると、国が支給している1人当たりの補助金3元のうち、30%以上が販売業者の懐に入っていることになる。
■資金の管理と食の安全確保が課題
現在、農村の義務教育段階にある児童・生徒に支給される給食費補助金には、中央政府の財政から毎年160億元(約2080億円)が充てられている。現段階の計画では、約680県・市の在校児童・生徒計2600万人が対象になる。今回注目を浴びた鳳凰市も第1陣の対象地域。わずか3元だが、子ども1人の1回分の食事を十分にまかなうことができる。
人民日報の報道によると、中央政府は2011年、学食の設置に向けた特別予算を計上した。しかし試行地区が広域の貧困地域にあるため、建設や管理に要する仕事量が依然として膨大で、具体的な給食の形式については、入札から業務研修、日常的な運営、さらには将来的に膨大になると予想される給食調理員の給与など、あらゆる経費をどこからどのように捻出するのかが問題となっている。ある地方官員は「もし地方財政でまかなうのであれば、どのレベルの財政から拠出するのか、より明確なガイドラインが必要」と語る。
県・郷の学校給食を担当している責任者は多くが兼職である中、管理には資金の管理や食の安全といった大きな問題がかかわってくる。専門職員の不足は長期的な発展にとって大きな懸念材料となる。これ以外にも、学食の発展、場所選択、安全性などの諸問題がある。これらの問題はすでにお金だけで解決できる問題ではない。現実的な課題が山積する中、学校給食のあり方が問われている。
■日本の学校給食を手本に
日本は学校給食の実施を法律で明確に規定している。1954年、国会は「学校給食法」を制定し、学校給食を実施する目的は「小・中学生の心身の健全な発達を全面的に促進させると同時に、国民の飲食生活を改善させること」と明記し、「国および地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければいけない」と要求している。2009年4月1日から施行された「学校給食法」の現行法案には、日本の現状に基づき「日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、望ましい食習慣を養うこと」という項目が追加されている。これは「食育」(食事を通した食に関する教育)の角度から日本の学校給食が推進されていることを意味する。明確な法律に基づくことで、学校給食は教育活動の一部となり、各教育部門や学校から重視されることになった。1998年5月の統計では、日本の小学生の学校給食実施率は99.4%(761万人)、中学生の学校給食実施率は82.2%(360万人)に達している。
国家・地方財政が学校給食の補助金を支給しており、国が給食センターおよび学校給食室の設備を提供し、地方自治体(県・市・町・村)が調理員の給与や輸送費などを負担。児童・生徒の保護者は給食の材料費を負担するだけで良い。このため、給食費は市場価格の2−3分の1に当たる約250−300円(19−23元)に抑えられている。経済的に困難な児童・生徒に対しては、給食を無料で提供し、その費用は国と地方自治体が50%ずつ負担する。
法律の規定では、学校給食の責任は各市・町・村などの地方自治体が担い、学校給食の提供方法は各自治体の具体的な状況に応じて自主的に決定する。東京都や大阪府などの場合、学校内に給食室を設けている市町村がほとんどだが、中には調理場を校外に設け、定刻に学校まで給食を配送する地域もある。学校給食の実施は文部科学省と各自治体の教育委員会が担当。学校給食の全体的な計画や管理は文科省、具体的な実施は教育委員会が担当する。厚生労働省は食品衛生の角度から全体的な指導や監督・検査を行う。学校給食の衛生管理を徹底するため、文科省は「学校給食の衛生管理基準」を制定し、学校給食の衛生管理の各過程に関する具体的な要求を明確化している。各自治体の教育委員会と学校も一連の衛生管理に関する規則制度を定めている。
日本の学校給食制度は実施からすでに100年以上が経つ。そのまま参考にするのは難しいかもしれないが、経済の発展水準に見合った制度づくりや厳格で科学的な態度は学ぶ価値がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/TF)
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