6日、大飢饉をテーマに描いた中国映画「Back to 1942」をきっかけに、インターネット上には「新中国成立後の1962年の大飢饉の方がひどい」と、当時の政策を批判するコメントが殺到している。写真は「Back to 1942」のワンシーン。
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2012年12月6日、中国で最近公開された映画「Back to 1942」(原題:一九四二)は中国共産党が政権を奪う前の中国を襲った大飢饉をテーマに描いている。しかし、この映画に触発された中国のネットユーザーらは、新中国成立後に発生した大飢饉と当時の政策に対する怒りのコメントをネット上に次々と書き込んでいる。米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語サイトが伝えた。
フォン・シャオガン(馮小剛)監督の話題作「Back to 1942」は、第2次大戦下の河南省で300万人が死亡・離散したとされる大飢饉を題材にしているが、この映画を見た中国の人気作家でブロガーの慕容雪村(ムーロンシュエツン)氏は「われわれ観客は1942年の大飢饉など大したことではないと知っている。最もひどい飢饉は1959年から1962年のものだ」とマイクロブログに書き込んだ。1950年代に毛沢東が提唱した大躍進政策は、米英に追いつき追い越すことを目的に、農民の生活を無視して強引な大増産計画を実施。「3年自然災害」も重なり、3600万人の餓死者を出す結果となった。中国共産党は後に、この政策が失敗であったことを認めたが、毛沢東は今もなお崇拝されており、この大飢饉は中国近代史のタブーになっている。
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