Record China 2012年12月9日(日) 5時40分
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5日、海外45カ国の外国人に対するトランジットビザ免除措置が発表されたが、ネットユーザーの関心は中国公民に対する海外各国のビザ免除措置の方に集中している。写真は中国のパスポート。
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2012年12月7日、人民日報によると、北京市は5日、海外45カ国の外国人に対するトランジットビザ(通過ビザ)免除措置を発表した。この措置により、北京観光業に多大な利益がもたらされる見通しで、ネット上では熱い議論が交わされている。しかし、ネットユーザーの関心は、中国公民に対する海外各国のビザ免除措置の方に集中している。
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「どんな時でも、海外に行く時にビザが免除されれば最高だ」―多くのネットユーザーはそれぞれ、過去のビザ取得手続に関する「ツッコミ」を入れ、「中国人に対するビザ免除措置を実施している国はなぜこんなに少ないのか?中国がもっと多くの国とビザ免除協定を結ぶことを切に望む」とコメントしている。
○中国人向けビザ免除実施国が少ない
中国人の海外旅行願望はどれほど切実なのだろうか?ひとつの例を見ると一目瞭然だ。韓国・済州島が中国からの個人・団体旅行客を対象としたビザ免除措置をスタートしてから9カ月の間、現地を訪れた中国人観光客は観光客全体の99%を占め、過去最高値の5倍に達した。
ひとつのシンプルな「ビザ免除措置」が、意外にも爆発的な効果を生み出した。中国人がビザ免除措置の対象となっている国・地区は一体どれだけあるのだろうか?
6日時点での中国外交部公式サイトによると、中国は76カ国との間でビザ相互免除協定を取り交わしている。しかし、基本的には外交官などが国の用務で渡航する際の「外交旅券」のみが対象で、団体旅行客の所持する一般旅券が対象となっている事例はずっと少ない。
それでは、中国公民の一般旅券を対象としてビザ免除措置を講じている国・地域は、実際どれだけあるのだろうか?ネット上の公開情報によると、2012年現在、中国一般旅券を対象にビザ免除措置を講じているのは41カ国・地域、この数値は世界92位だった。
専門家はこれについて、「中国に対してビザ免除措置を実施している国は確かに少数だ。しかし、中国人観光客の入国制限を緩和する傾向にある国はどんどん増えている」と指摘した。
○対中国ビザ免除措置が実施されていない理由:不法移住者の懸念、中国に対する理解不足など
「ビザ免除協定」とは、両国政府間の合意あるいは一方の希望により、相手国の特定の旅券を所持している公民に対し、入国ビザ取得を免除するというもので、ある国が他国の公民に対し、国の入り口を開放することを意味している。
中国の一般旅券所持者に対してビザを免除している国が少ないのはなぜか?外交学院外交学・外事管理学科の夏莉萍(シア・リーピン)副主任は、「ひとつには歴史的な原因、もうひとつは中国の経済発展レベルに関係がある」との見方を示した。
中国の人口の多さは、重要な原因のひとつに挙げられる。夏副主任は、「エクアドル、ハンガリー、コスタリカなどの国はかなり以前に中国人に対するビザ免除を実施したことがあった。しかし、これによって中国人が大挙して押し寄せ、さらには、そこから第三国に不法入国するようなケースも起きた。これらの国は問題を重視し、免除協定を撤廃したという経緯がある」と述べた。
続けて、夏主任は「現在の中国に対する理解が足りない国がまだまだ多数派だ。このことも、これらの国がビザ免除措置を実施しない原因の一つとなっている。数年前、会議に出席するためアフリカの小国を訪れた時、入国管理担当者は旅券のビザをチェックした後、帰路の航空券も丹念に確認した。私が中国に帰国せず、その国に不法滞在することを非常に恐れていたようだ。今の中国の発展レベルや中国人の所得レベルから見て、その国に居残る理由など一切見当たらないというのに」と語った。
このほか、専門家は、経済発展のアンバランスや中国人の素養の低さなど、中国側の原因も見落としてはならないと指摘した。海外での中国人の評判は決して良いとは言えない。このような中国や中国人に対するマイナスイメージから、一部の国が中国人に対するビザ免除に対して二の足を踏んでいることは事実である。
○対中国ビザ免除を実施する国が増えるまでには一定の時間が必要
復旦大学外交学部の蘇長和(スー・チャンホー)教授は、「改革開放以来、中国と世界各国との結びつきはますます緊密化しているが、中国人に対してビザ免除措置を実施する国が増えるには、まだ一定の時間がかかるだろう」との見方を示した。
某国有大型旅行社担当者は、「どちらかと言えば、観光業が盛んな国・地域、特にリゾートアイランドを売り物とする国が中国人を対象としたビザ免除を実施することを望む声が多い。中国人がビザ免除を望む地域は、人気観光地のある国に集中している」と指摘した。専門家は、「中国人がビザ免除待遇を受けるためには、政府による外交努力が不可欠だ」との見方を示した。
復旦大学の蘇教授は、「ビザ免除措置の実現には、段階を経ることが必要で、外交交渉によって順序を踏まなければならない。制限付きビザ免除を推進するほか、比較的長い有効期間内でのマルチビザ発給など、ビザ取得手続の簡素化も有効な方法のひとつであろう」と指摘した。
蘇教授はまた、「一つの成果から、量的・質的なビザ免除をだんだんと全面的に拡大するというのも効果的だ。地域的な面から見ると、地域協定を拠り所として、アジア地域で重点的に推し進めるべきだ。例えば、各国の同意が得られるという前提で、中国−アセアン自由貿易地域の協力を深化・調整し、秩序立ったビザ免除措置を推進する。東北アジアでは経済・貿易の往来を軸に、韓国や日本とビザ免除協定について話を進めてはどうか」と提案した。
専門家は、「中国経済レベルがここ数年、上昇の一途をたどるにつれて、中国人に対するビザ免除を実施する国はだんだんと増えてきている。中国と多くの外国との間には、現時点では格差があることは否めないが、今後このギャップはますます縮小していることは確実だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)
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