人民網日本語版 2018年12月20日(木) 21時20分
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ここ数年、O2O(オンライン・ツー・オフライン)による「ものぐさ経済」の影響で、ますます「ナマケモノ」化することが当たり前になりつつあり、労せずして時間の利用効率を引き上げることを可能にしている。
ここ数年、O2O(オンライン・ツー・オフライン)による「ものぐさ経済」の影響で、ますます「ナマケモノ」化することが当たり前になりつつあり、労せずして時間の利用効率を引き上げることを可能にしている。「ものぐさニーズ」が原動力となり、新型プラットフォームや楽をするための製品が次々登場し、それにより横になったまま暮らす人や腰を曲げようとしない人、家事は指示するだけで自分ではしない人など、さまざまな「新人類」が誕生している。ネット通販サイト大手の淘宝(タオバオ)が発表した「ものぐさ消費データ」によれば、2018年に中国人は楽をするために160億元(約2609億円)を支出し、その額は前年比70%増だった。なかでも95後(1995年から1999年生まれ)のものぐさニーズが急増しており、増加率は82%に達している。「工人日報」が伝えた。
▽人が「ナマケモノ」になればなるほど社会の進歩が加速する?
ザリガニを食べたいけれど、スマホも手放したくない。ネイルアートをしたばかりだから、ザリガニの堅い殻がせっかくのネイルを台無しにしてしまう。こういった人々に向けて、上海市黄浦区のレストランは先ごろ「ザリガニの殻むきサービス」を打ち出したというニュースがネット上を駆け巡った。この店は一部の客のニーズに応えるため、「殻むきスタッフ」として美人の女性店員を2人雇い、サービスの提供をスタート。「食べたいけれど面倒くさい」という客のニーズを満たすだけでなく、利用客はプライベートサービスを体験することもでき、話題性とサービスという点でいずれもメリットがある。さらには新たな雇用を創出し、店側の収益にもつながる。このようにいわゆる「ものぐさニーズ」は知らず知らずのうちに、確実に互恵・ウィンウィンのイノベーションモデルを生み出している。
冬の訪れとともに気温も下がっている今日この頃、金融コンサルティング会社勤務の郭さんは一緒にランチをまとめて注文するのがすでに会社の同僚たちとの恒例行事になっているとし、「外は寒すぎて、食事のために出かけるのがつらい。オフィスでデリバリーのものを食べれば時間の節約になるし、仕事も早く終わって、とてもいい」としている。こうした都市部のホワイトカラーたちが「なまけ病でデリバリースタッフがいなければ生きていけない」などとつぶやき、若者たちが「甘え病」患者となりつつある一方で、デリバリースタッフたちの収入が「ホワイトカラー並み」になっている点を軽視してはならない。また連れだって出かけて皆で過ごすランチタイムよりも、オフィスでランチをとれば仕事の効率も向上するため、このような新しいランチスタイルを喜ぶ企業の上層部も少なくない。
実際にここ数年、「ものぐさ経済」の誕生と発展により、メリットや効果が最もよく現れているのは外食産業以外だけでなく、クローゼット整理師やホームパーティの派遣シェフ、訪問理学療法士など、さまざまな新興職業も続々登場している。またそれとともに、スマートホーム製品やユニークで便利、実用的な雑貨などもネットワークプラットフォームを通じて大量に出回るようになっている。
郭さんが、「コンピューターを発明したジョン・アタナソフ氏が、『演算するのが面倒なので、コンピューターを発明した』と言っているように、今の社会のナマケモノは、学問で成果を上げた人や高所得者といったコツコツ型の『ナマケモノ』の可能性が高い」としているように、仕事や専門の学問に精力を傾けるため、余暇時間を効率よく利用し、休憩時間の効率と機能性を向上させようとする傾向がある。彼らのものぐさニーズは、常態化している時間と精力の浪費を解放し、社会の分業を促進し、新しい経済成長モデルを駆動することにつながる。
また艾瑞や易観などの市場調査機関も、「18年に中国国内の生活サービスO2O市場の規模は6千億元(9兆7794億円)を突破する見込み」と予想している。O2O市場を代表とする新興経済モデルが「ものぐさ経済」の鉱脈を掘り当て、消費高度化への巨大な変革を実際に後押ししたことは否定できない。
▽「ものぐさ経済」が脆弱なO2O市場を支える
蘇寧金融研究院は先月、国家金融・発展実験室、PP財経と共同で、「2018年中国個人消費高度化指数報告」を発表した。それによると、中国の個人消費高度化総合指数がペースを上げて上昇しており、13年の0.341ポイントから18年は0.376ポイントに上昇した。そして消費は発展型と享受型に向かい、「ものぐさ経済」の時代がすでに訪れているとしている。
「ものぐさ消費データ」にある「ものぐさ消費ヒートマップ」によると、沿海地域のものぐさ消費が突出しており、湖北省を除けば黄河中流域の平原地帯である中原エリアにはものぐさで上位10位に入る地域はない。最もものぐさなのは広東省の人々で、東北地域と西北地域のものぐさ消費は相対的にみてやや低い。年代別にみると、広東省の80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)がものぐさ番付で1位と2位に並んだ。
ネットビジネスモデルの代表であるO2Oが体現するのは、一種の典型的なものぐさ経済であり、オンラインとオフラインを結び付けたビジネスモデル。これは人々の生活習慣を変えただけでなく、消費者により豊富な消費チャンネルをもたらし、より便利で迅速な消費を可能にした。ネットを通じて問題を解決するのは現代の若者の考え方における一つの習慣となっており、これもまた一種の「ものぐさ消費」と言える。またものぐさ経済は地域経済の発展水準と密接に結びついてもいる。そのため経済が発達した地域の青年層は、O2Oを利用して小売や外食、コミュニティサービス、美容、観光、教育、自動車など多くの産業にまたがる訪問サービスプロジェクトにかかわるようになっている。
訪問サービスのO2Oは市場の範囲が相対的に幅広く、操作の内容も比較的簡単なため、「なまける」ことと「楽をする」ことの便利さに後押しされ、参入のハードルはそれほど高くない。オフラインの「面倒なあれこれ」を整理してオンラインに結びつけることさえできれば、「ものぐさ経済」の波に楽々とのることができる。ここ数年、多くのO2Oプロジェクトが着実に繁栄を遂げたが、プロジェクトが直面する複合効果と資金調達難は経営者の頭を悩ませているともいえる。
河北省承徳市で代行サービス「幇跑腿」を開発した起業家の王森さんは、「O2Oプラットフォームで最も重要なことは自分をPRすること。こうした最初の支出は埋没費用となり、無駄になる可能性は高い。楽をするための製品を開発するにしろ、楽をするためのサービスを提供するにしろ、オフラインで実際に営業をする人やオフラインの営業チャンネルとの協力は不可欠だ。また一部の小都市では、いくらたくさん投資しても、消費者の生活習慣を変えることはできない。なぜなら小都市の人々はそれほど忙しくないからだ。一方、大都市では草の根の起業家たちが大資本による持続的で大量の資金を投入したPR攻勢に対抗することが出来ずにいる。ものぐさ経済のようなそれほど成熟していないビジネスモデルは資金チェーンの断裂に直面することが多く、インターネット企業や伝統的企業よりもダメになったときに倒れるペースは速い」との見方を示している。(編集KS)
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