人件費上昇や人材不足、海外企業の脱中国化を促進―米メディア

Record China    2012年12月14日(金) 5時30分

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10日、人件費の大幅な上昇や人材不足が海外製造業者の脱中国化を促進している。資料写真。

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2012年12月10日、CNN(電子版)は中国に進出している英国企業を例に挙げ、人件費の大幅な上昇や人材不足が海外製造業者の脱中国化を促進していると指摘した。12日付で環球時報が伝えた。

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クッションなどを製造するある英国企業は04年に中国・浙江省に工場を設立し、現在は生産の半分以上を同工場でまかなっている。しかし、同社は現在、人件費急増などの原因で、中国から撤退し英国への工場回帰を検討している。

同社によると、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟する以前、同社の競合相手の中国企業の製品販売価格は、同社の製造コストさえ下回っていた。当時の為替レートや英国に比べて約10分の1の人件費を考慮し、同社は中国進出を決定。04年に浙江省に工場を設立した。

しかし、現在は様相が一変。中国国家統計局のデータによると、中国で製造業に従事する労働者の昨年の給与は約20%上昇した。同社の人件費総額は工場設立以来約5倍に膨れ上がっているという。さらに、運送費や梱包費用、関税、原材料コストなどの上昇が加わり、中国での製造に以前ほどメリットがなくなっている。

一方で、同社がちゅうちょしているのは、英国へ工場を戻すにしても、中国と同様に人材不足という問題に突き当たるからだという。ただし、両国に存在する人材不足の原因には大きな違いがある。

英国では大部分の工場労働者が50〜60歳代に達しており、技術を持った若い労働者が見つかりにくい。これに対し、中国では若くて技術を持った労働者はいるものの、条件の良い働き口があればすぐに転職するなど、安定した労働力が確保できない。中国では特に、工場労働者が春節(旧正月)の帰省をきっかけにして、より条件の良い職場へと転職するケースが多い。

こうした状況に、同社だけではなく、欧米から中国へ進出してきた多くの工場が、自国への回帰や他国への移転をすでに決定したり、現在検討しているという。(翻訳・編集/HA)

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