2018年12月26日、韓国・ニュース1は「『大陸鉄道の実現VS実体ない着工』…南北鉄道・道路着工式の反応」と題する記事を掲載した。

記事によると、韓国与野党は同日、北朝鮮側開城（ケソン）の板門（パンムン）駅で京義線（キョンウィ）線・東海（トンヘ）線の鉄道・道路連結および現代化に向けた着工式が開かれたことに対し賛否両論の反応を見せた。

野党・自由韓国党を除く与野党4党は「大陸鉄道の夢が現実化するきっかけとなった」と歓迎の意を表したというが、着工式に参加しなかった自由韓国党は「実体のない着工式」と批判的な立場を表明したという。

与党・共に民主党の李在禎（イ・ジェジョン）報道官は「南北間の鉄道連結は、朝鮮半島の共同繁栄はもちろん北東アジアの繁栄を築く出発点になる」とし、「大韓民国の経済領土を画期的に拡張させるきっかけになるだろう」と歓迎の意を表した。着工式に参加しなかった自由韓国党に対しては「古い党派対立と反共イデオロギー、党利党略への欲を捨て、今からでも国民のために朝鮮半島の非核化と恒久的平和体制の構築に前向きな立場を示してほしい」と促したという。

正しい未来党の孫鶴圭（ソン・ハッキュ）代表も、最高委員会議で「南北の和解と交流の歴史的場面に胸がいっぱい」とし、「正しい未来党は南北平和への道が成功することを祈る」と話した。民主平和党報道官も、論評で「南北鉄道が連結され、釜山（プサン）と木浦（モクポ）を出発して朝鮮半島をX軸に貫通、ユーラシアと中国に鉄道網が広がる『大陸鉄道の夢』が現実化するきっかけとなった」と評価。さらに「南北鉄道起工式は米韓当局が北朝鮮制裁免除の協議後に国連安保理の公式承認を経たという点で、現在こう着状態にある米朝の非核化交渉にも肯定的な影響を及ぼすとみられている」と伝えた。正義党報道官も論評で「長い間途絶えていた民族がつながろうとしている」とし、「暖かい日差しを浴びて力強く走る列車をまた見たい」と述べたという。

一方、自由韓国党の金秉準（キム・ビョンジュン）非常対策委員長は「着工のない着工式とは珍しい」と指摘。羅卿ウォン（ナ・ギョンウォン）院内代表も「着工式と呼ばれる『着手式』に多くの政治家が参加したが自由韓国党は行かなかった。実体のない着工式だからだ」とし、「南北のどこも工事が行われておらず、工事の範囲と推計はおろか事業がどの程度進められるか見当もつかない。一言で表現すると、支持率デッドクロスを記録した文在寅（ムン・ジェイン）大統領の世論操作用の着工式」と主張したという。

これについて、韓国のネットユーザーからは3500件を超える多くのコメントが寄せられているが、「北朝鮮の独裁者を信じるの？どうせまた裏切られるよ」「何の変化もない。核は頭の上にある。お金だけ食い尽くす怪物鉄道」「60年もの間『平和』『統一目前』と言いながら、北朝鮮の挑発→戦争直前→平和→支援の繰り返し」「何の意味もないからやめて」「またショー？もう騙されないぞ」など反対意見が相次いでいる。

その他にも「そのお金で大気汚染を解決して」「韓国国民も生活が大変なのに、税金で何してるの」など工事にかかる費用を心配する声も上がっている。（翻訳・編集/松村）