中国はなぜ、国際社会から“悪者”扱いされても、北朝鮮寄りの立場を崩さないか―米メディア

Record China    2012年12月17日(月) 11時49分

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14日、中国の中止要請を無視した形でミサイル発射を強行した北朝鮮。それでも中国は北朝鮮の肩を持ち続けている。

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2012年12月14日、米華字メディアによると、米ニューヨーク・タイムズ紙は「中国は北朝鮮の側にとどまる」と題した記事を掲載。各国が北朝鮮のミサイル発射を非難するなか、中国が北朝鮮寄りの姿勢を取り続けていると伝えた。

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北京大学国際関係学院の朱峰(ジュウ・フォン)教授は、「北朝鮮は地域の安全をかく乱しようとしている」として、中国が北朝鮮に対する支持を弱めることに賛成の意を表している。北朝鮮のミサイル発射は、中国に対する封じ込め策を強化しようとする一部の国にとって有利に働くからだ。オバマ政権は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を抑えられなかった中国に対して不満を抱いており、アジア・太平洋地域の軍事力強化を検討しているという。

朱教授は中国が北朝鮮とともに悪者のレッテルをはられてしまうことを危惧し、「少なくとも北朝鮮とは一定の距離を保つべきだ」と主張。中国政府は金第1書記に対し、2回ミサイル発射の中止を求めたが拒絶された。中国外交部は12日、北朝鮮への不快感をわずかに表したが、同国への外交方針を改めることはなく、国連制裁の支持も表明していない。

北朝鮮のミサイル発射後、米国政府はただちに国連安全保障理事会(安保理)における対北朝鮮制裁強化に向けた調整に着手した。中国の学識者は「中国が制裁決議を支持することはない。ただ議長声明に賛成するだけだ」と話す。

しかし、中国の一般国民は北朝鮮のミサイル発射に批判的だ。「ミサイルを発射する金があるなら、なぜ国民の生活を改善しようとしないのか?」という声が多く聞こえる。韓国政府の統計では、1998年以来、北朝鮮はミサイル開発に28億ドル(約2240億円)から32億ドル(約2560億円)をつぎ込んでおり、これは同国民が3年間は食べられるトウモロコシを購入できる金額に相当する。

中国内部での北朝鮮関係をめぐる論争は、両国の同盟関係が非常に特殊な状況に起因する。両国の政府は互いに相手を嫌っており、相互に深い不信感を抱いている。国際危機グループ中国・北東アジア支部のクライン・アルブラン氏は「北朝鮮高官が今年シンガポールを訪問した際には、中国の指導者は極度の緊張を示した。なぜなら中国はそれより以前にシンガポールを訪問し、一党独裁政治の秘訣を学んだからだ」と話す。「中国人にとっては、北朝鮮の崩壊よりも現状維持の方が直面する問題が少なくてすむ」とアルブラン氏は指摘している。(翻訳・編集/本郷)

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