P&Gの合弁企業が苦境に=人材の大量流出、止まらず―中国

Record China    2012年12月17日(月) 16時55分

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16日、化粧品や洗剤など一般消費財の生産・販売で世界最大の企業であるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で、人員削減や人材の流出が続いている。

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2012年12月16日、中国広播網は、化粧品や洗剤など一般消費財の生産・販売で世界最大の企業であるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で、人員削減や人材の流出が続いていると報じた。

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P&Gが中国で設立した合弁会社・宝潔中国は、中国の化粧品分野ではOLAYやSKII、洗剤・歯磨きなどの分野ではTideやCrest、その他にもパンパースやジレットなどのブランドを手がける、一般消費財の販売・生産で中国最大の企業である。その宝潔中国でも現在、人材削減や研究部門からの大量の人材流出が続いているという。

宝潔中国を離職した社員は「会社は製品・ブランドの開発や研究に精力を傾けず、いかに安く調合するかの研究に力を注いでいる。これでは研究者は魅力が感じられない」と話す。

中国の化粧品業界で約30年の勤務歴を持つ曲叡晶(チュー・ルイジン)氏は「研究者が他の業界へ移っていくのは日用化学品業界に共通した問題になっている。その根本の原因は、業界がすでに技術的に成熟しており、新発明などの余地が少ないためだ」と分析する。

技術が参入障害でなくなったことによって、中国の化粧品業界には現在3000社以上のメーカーと7400を超えるブランドが存在している。本来は高い利益率を確保していた中国の化粧品業界は、国内メーカーの急増だけでなく、ロレアルや資生堂など強力な海外ブランドの影響も受け、利益率が低下。宝潔中国の利益率もこの10年間で大きく落ちている。

また、P&G全体でも化粧品分野の落ち込みが激しく、利益を圧迫。同社は世界で非製造要員5700人を削減するとともに、TVコマーシャルなども減らし、コストを抑える方針を発表した。

こうした状況に、コンサルティング企業・上海艾肯品牌策劃有限公司の王社長は「P&Gは経営戦略の問題に突き当たっている」と指摘。P&Gの戦略は、あるエリア内のニーズをすべて吸収し、全面的な産業チェーンを形成する戦略だと分析した。

一方、P&Gのライバル企業で、世界3位の一般消費財メーカー・ユニリーバは、できるだけ異なる分野で新たな空間を探す戦略を採用し、高い成長率を保っている。食品分野のハーゲンダッツやリプトンなどのブランドがその好例だという。

王社長は「発展のトレンドを低コストで維持・拡張することは難しくなった。P&Gは製品を細分化した分野で新たな商品を開発し、利益率が比較的高い少数派向けの製品、例えば薬用化粧品などに目を向けるべきだろう」と語っている。(翻訳・編集/HA)

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