新型コロナウイルスによる感染拡大をある程度制御し、先頭に立って企業活動と操業を再開した中国。日ごとに活躍し始める経済活動は暗闇にある世界経済に活力と明かりを見せ、多くの外国企業は中国市場は損失を補ったと感心する。経済日報が伝えた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこのほど、「中国経済の回復につれ、多くの欧米企業の中国での売り上げは上昇し、ある程度本土の売り上げの下落による損失を相殺した。これにより、中国は世界の多くの企業の避難所と見なされている」と報じた。

長期にわたり、中国は常に欧米企業にとって重要な販売市場であり、感染症の世界的拡大が続く今、中国市場の世界経済へのポジティブな役割はますます顕著になっている。続々と公表されている第2四半期の財務報告では、一部の国際ブランドは中国市場によって何カ月も続く非常に困難な時期を乗り越えたことが示されていた。

米スポーツブランド・スケッチャーズの第2四半期の売上額は前年同期比で42％減少したが、中国での売り上げは11．5％増加した。スケッチャーズのデービッド・ワインバーグ最高執行責任者（COO）は、「中国は回復、安定、成長というモデルを提供した」との意見を述べた。

4月に、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット（EIU）は2021年まで中国の小売はプラス成長することはないと予測していたが、今この予測はすでに第3四半期が1％増、第4四半期が2．4％増に修正された。

中国の経済回復は国際貿易の分野においても、欧米諸国に積極的なサインを示した。ドイツ産業連盟（BDI）のヨアヒム・ラング事務局長は「安定する中国の対外貿易は、世界貿易の回復に重要なエネルギーを提供している。ドイツもこれから恩恵を受けるようになる」との見方を示した。データによると、中国の需要増加につれ、ドイツの輸出はこのほど月に2回の連続増加を実現した。今年6月のドイツの対中国輸出額は同期比で15．4％増加し、83億ユーロに達した。

中国のインフラ建設などの公共事業投資は日本の輸出も引き上げ、日本の財務省がこのほど発表した6月の貿易統計データによると、同月の輸出額は同期比で26．2％も減少したが、中国への輸出は著しく回復し、同期比で0．2％しか減らなかった。

今年上半期、中国と欧州を結ぶ貨物鉄道「中欧班列」も国際的な感染症予防において重要な役割を果たした。開通路線数と貨物量はともに前年同期比で大幅に増加し、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定維持に大いに貢献した。

ライブコマースなどの新しい通販形式が世界中でブームになり、世界各国のつながりがより緊密になった。英フィナンシャル・タイムズ紙はこのほど発表した記事で、「中国の越境EC小売プラットフォーム・アリエクスプレス（AliExpress）は中国国内のライブコマースモデルを海外向けに普及し、グローバルソーシャル電子取引の生態建設と普及を推し進めている」と指摘した。

米中ビジネス協議会（USCBC）が8月11日に発表した2020年度の会員調査によると、新型コロナウイルスの影響で両国関係はますます緊張する一方で、取材を受けた約7割の米国企業は中国市場の今後5年間のビジネスの先行きを楽観視している。

東南アジア諸国連合（ASEAN）のアラディン・リロ事務次長(経済共同体担当)は経済日報の取材に応じ、「世界経済の回復は大きく中国経済に頼っている。喜ぶことに第2四半期の中国経済は3．2％の増加を果たした。今後はほかの経済体がいかに中国と協力していくかに注視したい」との考えを示した。（提供/環球網・編集/孫ソウ）