人民網日本語版 2019年1月3日(木) 15時50分
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2018年における人民元の為替レートの推移を見ると、「前半上昇で後半下落、上下に変動」と言える。つまり、人民元の為替レートの柔軟性が次第に強まっていることを示している。
2018年における人民元の為替レートの推移を見ると、「前半上昇で後半下落、上下に変動」と言える。つまり、人民元の為替レートの柔軟性が次第に強まっていることを示している。中国新聞網が伝えた。
2018年の1月から4月にかけて人民元の為替レートは17年の上昇傾向を引き継ぎ、最高で1ドル=6.2元まで高騰した。その後11月になると、人民元の為替レートには下振れ圧力かかるようになり、人民元安が加速。中国国内外の環境の変化の影響を受けて、一時は1ドル=7元近くまで下落した。年末になると、多くの対策が次々と打ち出されたことで市場には安心感が広がったほか、中米の貿易摩擦が緩和したのを背景に、人民元の為替レートは安定するようになり、1ドル=6.9元付近で推移した。
オンショア人民元の対米ドルスポットレートを基に計算すると、18年、上下の振れ幅は7300ベーシスポイント以上で、1994年に為替レートが一本化されて以降最多を記録した。
興業銀行のチーフエコノミスト・魯政委氏は、「18年、中国国内の為替市場は引き続き深さと広さを増しており、人民元為替レートの市場化、変動を促進した。為替レートの柔軟性が引き続き強まってきた。為替市場が一層発展するにつれ、人民元の為替レートの柔軟性と市場化も強まるだろう」との見方を示す。
そして、「18年、人民元の対ドル年率ボラティリティは4.6%だった。円やユーロ、ポンドと比べるとまだ差はあるものの、人民元の為替レートの柔軟性という観点から見ると、変動幅は毎年大きくなっている」と分析する。
国際通貨基金(IMF)が公表している七大準備通貨のうち、18年、人民元の為替レートの変動幅は4番目に大きかった。過去3年はいずれも最下位だった。
19年、人民元の為替レートはどのように推移するのだろう?中国銀行国際金融研究所の研究員・王有■(■は品の口が金)氏は、「もし米国の株式市場がコントロール可能な範囲で復調し、ドルインデックスがゆっくりと上昇し、98ぐらいになると、人民元の為替レートにとっては下振れ圧力となる。反対にドルインデックスが90ぐらいまで下落すると、リスク回避資金が人民元建て資産に大量に流れ、人民元の為替レートが安定して回復に向かうだろう」と予測している。
中国の民間シンクタンク「中国金融40人フォーラム」の上級研究員管涛氏は、管理変動相場制の今の状況下では、人民元の為替レートの今後の推移には以下の3つのシナリオが考えられるとしている。
1つ目は、ベースシナリオで、市場が政府に人民元の為替レートを安定させるという願いと能力があると判断すれば、市場が人民元を攻撃することはない。そして、人民元の為替レートは狭い変動幅で横向きに推移するだろう。
2つ目は良いシナリオ。中国経済が安定し、中米の貿易関係が改善し、ドル安となれば、人民元の為替レートは安定し、上下しながら上昇する可能性さえある。
3つ目は悪いシナリオ。中国経済の低迷が続き、中米の貿易関係が悪化し、引き継ぎドル高傾向になれば、人民元の為替レートの安定は試練に直面することになる。
王氏は、「今後再び、為替レートが短期的に急落したり、クロスボーダーの資金流動が異常な変動を見せたりしても、中国の中央銀行は豊富な経験とツールを持ち合わせており、極端な状況に対応できるだろう。そのため、中国経済や人民元の為替レートに十分な自信を持たなければならない」と強調している。(編集KN)
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