南京大の学生が調査した料理の「ウォーターフットプリント」に注目

人民網日本語版    2019年1月10日(木) 23時20分

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南京大学環境学院の学生が手作りした、南京名物ウォーターフットプリント説明図がネット上で注目を集め、多くの人が転載しコメントを寄せている。

湯気が立ち上る蟹味噌小籠包1せいろのウォーターフットプリントは2296.95リットル、色鮮やかで魅力的な獅子頭(肉団子料理)のスープ煮1皿のウォーターフットプリントは1351.03リットル――南京大学環境学院の学生が手作りした、南京名物ウォーターフットプリント説明図がネット上で注目を集め、多くの人が転載しコメントを寄せている。

多くの人に知られているカーボンフットプリントと比べると、ウォーターフットプリントは新鮮な言葉だ。これは日常生活における公衆消費財及びサービスの過程で消費される目に見えない水を指す。ある料理のウォーターフットプリントを計算するには、食材の成長過程、調理の工程における水使用量、排水量をいずれも統計しなければならない。例えば牛乳をコップ1杯分生産するには、牧草の水やりから乳牛の水飲み、体洗い、体温下げ、輸送に至る過程において水を使う。この説明図を見た食通たちは、美食の裏側ではこれほど多くの水が使われていたのかと感嘆を漏らしている。

◆料理のウォーターフットプリントの計算方法は?

学生はまず南京のさまざまな料理を集めレシピを作り、それから肉料理、野菜料理、各種デザートに分類した。彼らはすべての料理に使われる食材の種類、用量、これらの料理の作り方の詳細な統計・整理を行った。食材のウォーターフットプリントをブルーウォーターフットプリント(地表水もしくは地下水の消費量)、グリーンウォーターフットプリント(雨水の消費量)、グレーウォーターフットプリント(汚染物を吸収し特定の水質基準を満たすため必要な淡水の量)に細分化した。動物類農産物、農作物、調味料などに分け、食材のウォーターフットプリントデータ集を作成した。具体的には牛と牛乳、豚、羊、鶏と鶏卵、アヒルとアヒルの卵、ガチョウ、魚、稲・とうもろこし、小麦・じゃがいも、ナッツ・香料など13種類に分かれた。

レシピを整理しデータを集めた上で、南京大学の学生はこれらの南京料理のウォーターフットプリントの計算を開始した。

研究によると、肉料理のウォーターフットプリントは野菜料理を遥かに上回り、牛・豚・鶏・アヒルのどの肉を使っても、1品のウォーターフットプリントはほぼ2000リットル前後となる。肉の原材料の他に、これらの料理は調味料及び香料を使わなければならないからだ。例えばアヒルの蒸し煮の場合、アヒルの他にも塩、八角、桂皮、クミン、ソウズク、ライラック、生姜、ネギ、紹興酒、氷砂糖、白酢、油、スープの13種類を使う必要があるが、そのすべてがウォーターフットプリントを生む。

あっさりした味付けの調味料を使い、作り方がシンプルな肉料理はウォーターフットプリントが少なめだ。例えば50グラムの鶏卵でワケギとエビの茶碗蒸しを作るならば、ウォーターフットプリントは64.26リットルのみだ。

学生らはまた、デザートのウォーターフットプリントがそれほど多くないことに気づいた。200グラムのもち米で小豆と甘酒の白玉団子を作る場合のウォーターフットプリントは571.18リットルだが、500グラムのもち米で草だんごを作る場合は1194.67リットルとなる。これは中のあんこやごま油など、ウォーターフットプリントの多い原材料を多く用いるからだ。

◆科学的知識をいかに若い人に知ってもらうか?

南京大学環境学院の程明今さんはこの研究を行った初志について、「中国では近年、科学技術がハイペースで発展しているが、人々の科学の素養が追いついていない。この問題は水の科学普及分野にも見られる」と話した。

現在の水の科学普及において、「蛇口は使い終わったらすぐに閉める」「米研ぎ汁で皿を洗う」などが唱えられている。確かにそれは正しいのだが、内容を更新する必要がある。学生らは多くの人に南京料理のウォーターフットプリントを知ってもらうため、これらの無味乾燥なデータとグラフを創意あふれる作品に仕上げた。豚の成長過程、アヒルの蒸し煮のウォーターフットプリントなどのカラー図を手描きで作り、さらにショルダーバッグ、Tシャツ、包装袋、コースターなどを作った。

若者が好むやり方でややハードルの高い学術的な概念を広め、若い食通の心をつかんだ。ウォーターフットプリントを計算すると、数字として目視できるようになるので、今度水を浪費すると心理的プレッシャーを感じることになるだろう。(編集YF)

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