Record China 2019年1月18日(金) 14時20分
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日本とロシアの北方領土交渉に中韓のメディアが関心を寄せている。中国メディアは「順風満帆とはいかないだろう」と論評。韓国紙は「日本は皮算用をして強烈なパンチ食らった」と冷ややかにみている。写真は北海道にある北方領土関連の看板。
日本とロシアの北方領土交渉に中国や韓国のメディアが関心を寄せている。日露両国の立場の違いが鮮明になっていることから、中国メディアは「順風満帆とはいかないだろう」と論評。韓国紙は「日本は皮算用をして強烈なパンチ食らった」と冷ややかにみている。
歯舞、色丹、国後、択捉の北方4島の領土問題を含む日露平和条約締結交渉をめぐっては、2018年11月、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が「平和条約締結後、4島のうち色丹と歯舞を日本に返還する」とした1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速することで合意。河野太郎、ラブロフ両外相を交渉責任者に任命してから初めての会談が14日、モスクワで行われた。
会談後の記者会見で、ラブロフ外相は「(交渉妥結のための)第一歩は南クリル列島に対するロシアの主権を含めて第2次世界大戦の結果を認めること」と要求。「これを認めない限り、領土交渉の進展は期待できないということを河野外相に数回にわたって強調した」と述べた。さらに「日本側が『北方領土』という呼称を使うこともロシアは受け入れることはできない」とも主張した。
北方領土交渉に関して、中国網は中国社会科学院ロシア東欧中央アジア研究所の姜毅研究員の「ここ数年の状況を見ると、日露共に両国関係の発展に比較的積極的な姿勢だが、領土問題の解決は一連の政治的、法的、外交的問題を抱えている。客観的な環境と条件を見ると、両国関係の発展は順風満帆とはいかないだろう」との見方を紹介した。「ロシア国内各界では、係争島しょを日本に引き渡すことへの反対の声が強い」とも伝えた。
中露両国は長い国境線を接する。現在は蜜月関係にあるものの、厳しく対立した時代もあった。日露の接近を必ずしも歓迎できないのが中国の“本音”ともみられる。
一方、韓国・中央日報は「ロシアとの領土交渉、皮算用をして強烈なパンチ食らった日本」との記事を掲載。ラブロフ外相の発言について「日本の予想を超える先制パンチをロシア側が初めての交渉の場で仕掛けてきたのだ」と言及した。
さらに「最近のインタビューで安倍首相が島に暮らすロシア住民に『日本に帰属が変わることについて納得していただくことも必要だ』と呼び掛けたこともロシア内の反発世論を刺激した」と報道。「結果的に全体図は今のところ安倍首相が描いたものとは異なる方向に流れている。交渉の初舞台からロシアの冷たい反応と向き合うことになり、安倍内閣は動揺している」と分析している。(編集/日向)
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