労働条件の改善で都市にとどまる労働者が増加=福利厚生、給与アップが後押し―米紙

Record China    2013年1月3日(木) 7時20分

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31日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「故郷に帰りたがらない出稼ぎ労働者」と題した記事を掲載した。写真は列車で帰省する労働者たち。

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2012年12月31日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「故郷に帰りたがらない出稼ぎ労働者」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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張康(ジャン・カン)さんは自動車メーカーBYDで組立て作業員をしている。彼は業務時間外に、工場の労働者などに靴下を売る商売もしている。深センに来て5年、まだ故郷に帰るつもりはない。彼のふるさとは深センから約1450キロ離れた河南省南陽市だ。地元は発展しておらず、靴下を売る商売もできないという。

10数年にわたって、中国の経済発展は「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者に支えられてきた。そのほとんどが農村部出身で、生産ラインや建築現場で働いている。あるデータによると、2011年の時点でその数は約2億5000万人に上る。

最近の調査では、労働者の生活条件も徐々に改善してきていることがわかっている。オーストラリア国立大学の孟●(モン・シン、●は日に斤)教授が労働者5000人に対して行った調査によると、2012年、労働者が都市で働き始めて故郷に戻るまでの平均期間は約9年で、2008年では7.8年だった。孟教授は、この数字は今後さらに伸び、労働者不足の問題は消失していくだろうと述べている。

政府は都市部に住む出稼ぎ労働者の福利厚生の充実、技能の向上を求めており、彼らの都市における滞在期間はさらに延びていくものとみられている。これにより、都市の労働者人口の拡大や質の向上が期待されている。労働者の生活保障が充実することで貯蓄の必要性が減るため、消費モデルの転換に有利にはたらくという見通しだ。

金融危機後は職を失った約2300万人の労働者が故郷に戻った。経済の回復に伴い、企業や地方政府が給与の上昇や福利厚生を打ち出して、労働者の都市部回帰を促している。2011年には中国の製造業の給与が前年比で20%増加した。

また、戸籍制度改革によって、都市部に流入する労働者はさらに増えるものとみられている。孟教授の調査によると、2012年には失業保険に加入している出稼ぎ労働者が、2008年の11%から21%にまで増加し、医療、年金、労災保険の加入割合も同様の変化を見せているという。

工場以外の場所で成功を目指すのは張さんだけではない。令(リン)さんは、数年前にBYDの工場を辞め、花屋を開業したが失敗し、またBYDに戻ってきた。今は広東省のスワトウにいる妻を呼び寄せて一緒に働くことを考えている。彼は妻に「深センにはもっといい工場がある、お前もきっとここの生活に慣れるさ」と語っている。

また、フォックスコンに勤務する馬(マー)さんは、さらに良い待遇を目指して、友人と一緒に夜間学校で企業管理と電子エンジニアリングを学んでいるという。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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