中国の河北省石家庄市でこのほど、予防接種のワクチンをすり替える問題が発覚し、物議を醸している。中国新聞網が伝えた。

問題が発覚したのは先月30日。同市橋西区の医療機関で5種混合ワクチン（百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ、ヒブ）の予防接種を受けた子どもの母親は、ワクチンのパッケージに違和感を覚え看護師を問い詰めた。その結果、ワクチンは5種混合ではなく価格が約6分の1のヒブワクチンであることが分かり、母親は警察に通報。現地の関連部門が調査を開始した。

現地政府は今月3日、「調査の結果、女性看護師は私益のために29人の子どもに対しワクチンをすり替えたと供述し、警察部門が看護師の身柄を拘束した」と説明。同医療機関のワクチンは区内の疾病コントロールセンターが提供しているもので品質に問題はなく、今回ワクチンをすり替えられた子どもらにも悪影響はないとしている。現地政府は区内の疾病コントロールセンターの関係者や問題の医療機関責任者を免職処分とし、ワクチンをすり替えた女性看護師の医療従事の資格を剥奪。ワクチンをすり替えられた29人の子ども一人ひとりにあった対応を進めるとしている。

問題の医療機関で予防接種を受けた子どもの親からは、「5種混合の市場価格は632元（約1万200円）で、ヒブワクチンは約100元（約1600円）と価格に大きな差がある。すり替えることで大きな利益が出るが、看護師1人でできることではないと思う」との声も聞かれている。ネットでは「良心のかけらもない」と批判の声が多く聞かれ、「怖すぎる」と看護師の行動を指摘する投稿も多く寄せられた。（翻訳・編集/内山）