濃霧が警告、経済モデル転換は引き延ばしできない―中国メディア

Record China    2013年1月17日(木) 13時47分

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16日、中国各地がこのほど濃霧に覆われ、大気の質が急速に悪化し、PM2.5大気質指数が天井圏に入っている。深刻な濃霧は中国の経済成長モデルがもはや維持できないことを改めて示している。写真は13日、山東省済南市を襲った濃霧。

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2013年1月16日、中国のエネルギー消費構造はいまだに石炭が中心で、中国の石炭消費量は世界全体の40%を占める。この巨大な消費量は年平均10%のペースで増加を続けている。中国のエネルギー消費量が米国と少なくとも同レベルだとすれば、生み出される国内総生産(GDP)は米国のわずか3分の1になる。新京報が伝えた。

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最近、全国の10を超える省・自治区・直轄市が濃霧に覆われ、大気の質が急速に悪化し、PM2.5(微小粒子状物資)大気質指数(AQI)が天井圏に入っている。深刻な濃霧は、中国の経済成長モデルがもはや維持できないことを改めて示している。過去30数年にわたり、中国は「高汚染、高エネルギー消費、汚染物資の高排出」という「3高」の成長モデルによりかかり、一部の地域ではGDPを無計画に追求して環境保護に配慮してこなかった。このため今になって経済成長の苦い果実を味わっている。

濃霧が続いていることは、工業企業、発電所、熱を供給する工場で石炭を燃焼させていることと密接な関係がある。今でもなお中国のエネルギー消費構造では石炭が主役で、中国の石炭消費量は世界全体の40%を占め、これほど巨大な石炭消費が毎年10%のペースで増加を続けている。これと同時に、電力需要は石炭を燃焼させる火力発電によって満たされており、火力発電所の新たな建設の歩みも止まらない。

石炭消費への高度な依存が、中国の環境汚染が悪化を続ける直接の原因だ。あるデータによると、2011年の中国の石炭消費量は34億2500万トンで、一次エネルギー消費量全体の68.8%を占めた。世界では石炭が一次エネルギー消費に占める割合は30%以下だ。

国際エネルギー機関(IEA)は09年、中国のエネルギー消費量は米国を抜き、世界一になったと発表した。国家統計局はこれを認めておらず、「中国のエネルギー消費量が米国を抜いたことはなく、ずっと2位だ」としているが、中国のエネルギー消費量が米国と少なくとも同レベルだとすれば、生み出される国内総生産(GDP)は米国のわずか3分の1になるという問題を避けて通るわけにはいかない。

中国社会科学院(社会科学アカデミー)の李揚(リー・ヤン)副院長の研究はこの点をさらに明確にし、GDPから生態環境の悪化と環境汚染による経済的損失を差し引けば、中国の経済成長率は5%程度になるとする。環境保護部のグリーンGDP試算の結果も、04年から09年にかけて環境汚染の代償は5118億元(約7兆2694億円)から9701億元(約13兆7789億円)に増加し、中国の経済発展が支払わなければならない環境汚染の代償が増加を続けていることがわかる。

環境汚染が進んでいることと、粗放型の成長モデルとは切っても切り離せない。特に中国のGDPが4倍以上増加した過去10数年間は、環境汚染が最も深刻な時期でもあった。

すでに数年前にグリーンGDPに基づく業績評価を求める声が高まったが、最終的には地方政府の反対を受けて、既存のGDP業績評価システムを変えることはできなかった。単位GDP(GDP1万元、1万元=約14万円)あたりのエネルギー消費量を第11次五カ年計画(2006〜10年、十一五)期間に20%引き下げるという目標も、ぎりぎりで達成できたに過ぎない。第12次五カ年計画(2011〜15年、十二五)がスタートした11年には、省エネ・汚染物資排出削減の任務を十分に達成することができず、単位GDPあたりのエネルギー消費は通年で2.01%しか引き下げられず、目標値の3.5%に達しなかった。

こうしたことから、今後の環境対策では、エネルギー消費構造の調整に着手すること、天然ガス、水力発電、風力エネルギー、太陽光エネルギーなどのクリーンエネルギーの比重を高めることが第一に必要となる。十二五によると、15年をめどに新エネルギーと再生可能エネルギーが一次エネルギー消費に占める割合を11.4%に引き上げるとしている。この拘束力をもった指標が達成されれば、中国の環境対策は道半ばに達したといえるようになる。

石炭を中心とするエネルギー消費構造だけではない。大躍進式の自動車産業の発展もここ数年間に大都市で汚染が加速した主な原因だ。08年までは中国の自動車生産・販売の伸びは緩やかだったが、自動車産業振興プランの影響により、09年は一気に1300万台に達し、前年比46%増加した。10年、11年はいずれも1800万台を超えた。中国汽車(自動車)工業協会は、2012年は少なくとも2000万台に達したと予測する。

かつて振興の対象だった十大産業のほとんどが、現在では生産能力が最も過剰な産業となってしまっている。今も空を覆い続ける濃霧は、中国経済が徹底したモデル転換を必要とする時期にさしかかっており、「3高」のロジックに固執してはならないこと、経済発展は目前の利益を考えるだけではだめなこと、長期的な代償を軽視してはならないことを改めて警告するものだといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/内山)

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