Record China 2019年2月7日(木) 11時0分
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5日、観察者網は、「日本人は日中関係が改善したと思っているのか」と題する記事を掲載した。写真は「春節」カラーに染まった東京タワー(撮影:任鋭)。
2019年2月5日、観察者網は、同サイトのコラムニスト、廖可(リアオ・カー)氏の「日本人は日中関係が改善したと思っているのか」と題する記事を掲載した。
記事はまず、安倍晋三首相の昨秋の訪中に言及し、日中関係は飛躍的に新たな段階に入ったと指摘。今月5日の旧正月に合わせた首相の中国向け祝賀メッセージでは日中関係に関する良好な願いが示されたとした上で、「日本の民間は日中関係をどのように見ているのだろうか」と昨年10月に発表された「第14回日中共同世論調査」の結果へと話しを進める。
この調査は、言論NPOと中国国際出版集団が共同で実施したもので、「中国人の対日好感度は14年から回復の兆しが見え始め、18年は42.2%と過去最高を記録。一方、日本人の対中好感度は14年以降も低い水準で推移し、18年は13.1%と前年比1.6ポイントの伸びにとどまった」と紹介し、「近年の両国には不断の関係改善が見られるが、中国人の対日好感度が高まる一方であるのに対し、日本人の中国に対する印象は大して変わっていない」と総括。さらに、今の中国人が抱いているであろう疑問として「政府レベルでは大きな関係改善が見られるのに、民間で同様の動きが見られないのはなぜか」「中国人の『日本の印象』は大幅に変化したのに、日本側でこうした変化が起きないのはなぜか」の2点を挙げた。
記事は、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝、尖閣諸島国有化が日中関係を冷え込ませたことに触れ、「16年になってようやく雪解けの兆候が見え始めた。だが、それ以前に関係改善の分岐点はあった」と08年の北京五輪に言及。07年と08年に当時の温家宝(ウェン・ジアバオ)首相、胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席が「融冰之旅」「暖春之旅」と称される日本訪問を行ったこと、当時の日中関係も「政府レベルは熱く、民間レベルは冷え込んでいた」ことを指摘し、「当時を振り返ってみると日本の報道が生む影響力は政府レベルの努力を大きく変えることが分かる。日本の報道が創り上げる中国のイメージは両国政府の成す努力より、より『効果的』なのだ」と北京五輪をテーマとする日本大手紙の社説に少数民族政策への批判や報道の自由の問題など、中国に関するネガティブな内容が見られたことを説明した。
08年の日本人の対中好感度が前年より下がった点に言及する記事は、「物事をどう報道するかの選択権はメディア側にある。メディアの視点が読者に固定的なイメージを与える。そうしたステレオタイプが人々の別の国に対する好感度を左右し、国と国の関係にも影響を及ぼす」と指摘。さらに「日中共同世論調査」に話を戻し、「日本人が中国に良くない印象を持つ3大理由は日本の報道で多く登場するキーワードと基本的に合致している」とした。
記事は「日本メディアには一つの固定された報道の枠組みがある。それは中国の政治に対する批判だ」とし、北京五輪をめぐる報道が最も分かりやすい例と説明。「各紙の社説が人々に与える影響力は大きいが、新興メディアも世論の方向性を左右する力を持ち始めた」と指摘した上で、「これも日本人の中国に対する見方を変えるプラスの力とはならない。新興メディアにおける保守派の扇動的言論はもともと消極的世論に取り囲まれた日本人をより中国から遠ざけてしまう。将来、日中がいかに真の関係改善を実現するかにおいて、日本の報道は非常に重要な要素と言える」と論じた。(翻訳・編集/野谷)
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