史上最強の「居座り」、7日目突入!―重慶市

Record China    2007年3月29日(木) 18時44分

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重慶市の「中国の歴史上最も有名な立ち退き拒否をしている住民」、楊さん宅。立ち退き期限経過から7日目を迎えたが、まだ居座り続けている。また強制執行も行われていない。ビル建設の立ち退きに応じなかった楊さん宅は、周囲を掘り下げられて、陸の孤島になった。

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2007年3月29日午前8時半、北京市某新聞社の編集担当・王(ワン)さんは、出社と同時に急いで各社の朝刊を確認した。彼が知りたいのは、先日大きな話題になった、重慶市の陸の孤島に居座り続ける「中国の歴史上最も有名な立ち退き拒否をしている住民」のニュースだ。このニュースは中国国内だけでなく、米日刊紙ニューヨークタイムズにまで報道されている。

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たくさんの朝刊をチェックした王さんだが、この件についての報道はなかった。それで彼はパソコンに向かって、ジャーナリストに人気の掲示板に書き込み、最新情報の提供を求めた。すると10分後、重慶市のユーザーが「3月29日午前現在、あの住宅は存在したまま。立ち退き期限経過から7日目を迎えたことになる。しかし3月26日以降、政府機関が報道を禁止しているため、ここ3日間は地元を含む中国国内メディアが、報道できない状況だ」と様子を報告した。

政府の報道規制についてメディア関係者は、「居座り住民の楊武(ヤン・ウー)さんとその妻は、メディアを利用して事態を大きくしている。今後真似をする人々が現れ、本来民間レベルで済む内容が、政治的なレベルに変わってしまう。そのため政府は、社会に不安材料を与えないようにと、報道を規制しているのだ」と分析している。

陸の孤島に居座り続ける、この「中国の歴史上最も有名な立ち退き拒否をしている住民」は、重慶市九龍坡区鶴興路17号の219平方メートルの2階建て住宅に住む楊武さんとその妻。

3年前、楊さん宅は商業ビルの建設用地に指定されたが、立ち退き保証金額が開発業者との間で折り合わず、立ち退かなかった。すると、工期を急いだ開発業者は、楊さんがまだ住んでいるにもかかわらず、住宅の周囲を掘り下げてビルの基礎を作り始めた。そのため、楊さんの家は「陸の孤島」になってしまったのである。

この地区の管理局は2007年1月11日に楊さんに立ち退き命令を出したが、楊さん夫婦はやはり受け入れなかった。そのため管理局は裁判所に強制執行を申請、3月19日に「23日までに立ち退かなければ強制執行を許可する」との裁定を出した。しかし、楊さん夫婦は頑として聞き入れていない。そして、立ち退き期限が過ぎた現在も、いまだに強制執行は行われていない。23日には重慶市で中国春期糖酒会が開催され約15万人が参加、報道記者も多かった。また、先の全国人民代表大会で住宅などの私有財産を保護する「物権法」が成立したこともあり、関係部門は強制執行に慎重な態度を取っているようだ。(編集・饒波貴子)

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