春節の海外旅行ピークに、「中国人観光客は日本に戻って来るか?」―SP華字紙

Record China    2013年2月5日(火) 11時19分

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4日、中国では春節が迫り、海外に出る中国人観光客がピークに達している。日本の元首相が相次ぎ中国を訪問している今、両国の民間交流が回復しているのかどうかは、多くの人にとっての関心事だ。写真は北海道。

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2013年2月4日、中国では春節(中国の旧正月、今年は2月10日)が迫り、海外に出る中国人観光客がピークに達している。日本の元首相が相次ぎ中国を訪問している今、両国の民間交流が回復しているのかどうかは、多くの人にとっての関心事だ。中国人の人気旅行先として、日本の観光地に春は再び訪れるのだろうか?シンガポール華字紙・聨合早報の記事を引用して中国新聞社が伝えた。以下はその概要。

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2010年に中国漁船と日本海上保安庁巡視船との衝突事故が発生して以来、翌2011年の東日本大震災支援活動と辛亥革命100周年記念活動は行われたものの、領土問題と歴史問題が原因で、国交正常化40周年祝賀ムードはどこかに吹き飛んでしまった。中国の伝統的祝日である春節を目前に控え、中国人の海外旅行はピークを迎えている。日本の元首相が続々と中国を訪問している今、両国の民間交流が実際に回復しているのかどうかは、多くの人が知りたいところだ。中国人の人気旅行先として、日本の観光地に春は再び訪れるのだろうか?

2009年正月に公開された中国映画「非誠勿優(誠実な人以外お断り)」をきっかけに、日本最北の北海道が中国人に広く知られるようになった。この映画は驚異的な興行収入を記録、映画の大ヒットで引き起こされた北海道観光ブームは1年以上も続いた。「非誠勿優」が公開される少し前に開催された第21回東京国際映画祭で、スペイン人監督作品「シルビアのいる街で」が上映された。ドイツ国境に近いフランスの古都ストラスブールを舞台にしたこの作品によって、「非誠勿優」と同様、映画の舞台となったこの都市に大きな観光ブームが湧き起こった。観光業に対する映画の効用は意外にも極めて大きく、映画のヒットが旅行業界にこの上ない喜びをもたらした。娯楽と観光は、誰にとっても悪い作用は及ぼすことはなく、敵対関係も生じ得ない。

しかし、日本政府が発表した統計データによると、2012年11月に観光あるいは仕事で日本を訪れた中国人は約5万2000人にとどまった。東日本大震災によって旅行者数が激減した後、やや持ち直した2011年11月に比べ、43.6%も減少した。特に団体旅行の落ち込みが激しかった。このような状況に対し、朝日新聞のコラム「私の視点」欄に、ある日本人学者による「日本の観光情報を発信するのに留学生に活躍してもらい、中国人観光客を誘致しよう」という投稿が掲載された。

この投稿文の筆者は、中国人観光客誘致のために、▽政治情勢に左右される団体観光客ではなく、フリー旅行の中国人を顧客ターゲットとする▽母国の家族や友人知人に訪日旅行を薦めてもらうよう、中国人留学生向けに無料の観光ツアーを実施する▽領土問題や歴史問題が原因で日中両国に再びいざこざが起きた時、これらの留学生が、反日ムードを抑制する働きをしてくれる、の3点を提案した。すなわち、在日中国人留学生を極力活用するということだ。

この提案が実際に効果的かどうかは別として、北海道の広大なラベンダー畑や温泉宿、ストラスブールの古い建物やヨーロッパ風情に満ちた大通りなど、映画で見た素晴らしい景色を実際に自分の目で見て、そこを散歩したいと誰もが思うであろう。歴史は歴史、別の事だ。

月日が経つにつれ、歴史の記憶はだんだんと薄れていくが、存在し続けることは確かなことだ。いつ「一触即発」するかは分からない。現在の日中関係について、緊迫化は「価値観・制度の違いまたは交流不足による」「領土問題と歴史問題を一緒にすべきではない」「親善は政治とは無関係に行われるべきだ」といった意見が一部にある。しかし、上述の例からも分かるように、人々の記憶は消えることなく存在している。従って、「忘れる」のではなく、「まず記憶を整理しはっきりさせる」必要がある。

ある在日朝鮮人が2012年9月末、ヨーロッパの和解に対する見方と同様な視点で書かれた文章を朝日新聞に投稿した。この文章では、「日本がかつて支配した旧満州には、至る所に旧日本軍に対する抵抗運動の記念碑、犠牲者の墓、関連建築物がある。史実を若い世代に伝えることにおいて、日本はすべてを『反日教育』と見なしてそれを反対してきた。日本と周辺諸国の間には共通した歴史認識がない。私はこのことが問題の根源であると改めて認識した」と記されていた。

先に取り上げた訪日中国人観光客誘致を提案する投稿文では、「中国人留学生は反日ムードを抑える役割を果たすことができる」と指摘されていた。日本の新聞に一時氾濫していた「反日」という言葉について、ある在日中国人留学生が2012年10月、異なる見方を示した。この人は朝日新聞の読者投稿欄「声」で、「中国には、『在英留学生は英国を愛し、在米留学生は米国を愛し、在日留学生は日本に敵対意識を持つ』という流行り言葉がある」と紹介した。

中国人が日本に留学して「反日」派になるとすれば、それは、アジア諸国に対する日本の態度、マスメディアの報道、若年世代に対する近現代史教育の不十分さ、などが原因だ。この留学生は「在日留学生が日本に敵対意識を持つ」関係が好転することを望んでいる。人情・理論いずれの点から見ても、在日中国人留学生で、日本に中国人観光客が戻って来ることを望まない人などいない。彼ら自身も日本に馴染んで日本での生活を大いに楽しみたい。日本留学の目的は、決して「反日」ではなく、「親日」そして「知日」にある。

日本に中国人観光客が戻ってくるかどうか。在日留学生の役割・効果は、その根本的要因ではない。歴史に対峙する日本の態度が誠心誠意によるものかどうかが決め手となる。映画のタイトル「非誠勿優」と同じように。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/内山)

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