中国は貿易大国の座を維持、「日本式の不況」に陥ることはない―米専門家

Record China    2013年2月6日(水) 19時50分

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5日、中国経済の専門家であるニコラス・R.ラーディ氏はこのほど、中国経済に対し、「中国がやるべきことは、経済構造の調整加速、および経済発展モデルの転換に関する政策を着実に実施することだ」と指摘。写真は江蘇省連雲港市にある港。

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2013年2月5日、中国経済は「中所得の罠」や「日本式の不況」に陥るのだろうか。労働者の賃金の上昇、高齢化の到来は中国経済にどのような影響を与えるのだろうか。米ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローであり中国経済の専門家であるニコラス・R.ラーディ氏はこのほど環球時報の取材に答え、これらの問題に比較的楽観的な見方を示した。ラーディ氏は「中国がやるべきことは、経済構造の調整加速、および経済発展モデルの転換に関する政策を着実に実施することだ」と指摘する。環球時報が伝えた。

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国際的に見て、中国経済が今後直面する最大の変化とは?

ラーディ氏、「最大の変化は、今後数年間で中国の輸出増加がかなり鈍化するということだ。中国の輸出回復の見通しは今年も楽観的ではない。中国にとって最大の輸出市場である欧州経済の成長は非常に緩慢だ。しかし、中国の輸出増加ペースはそれでも世界平均を上回っている。このほか、中国の輸出品の構造も変化するだろう。中国企業のイノベーション能力向上、世界のバリューチェーンにおける地位の向上にはまだ長い時間がかかるが、中国の高付加価値商品の輸出が占める割合がある程度上昇すると思われる」と回答。

中国の安価な労働力による発展のメリットは消滅しようとしているか?

ラーディ氏、「私はこの観点に疑問を呈する。中国の人口ボーナスはまだなくなっていない。中国には依然として数億人の農村人口がおり、技能を持ち、近代的産業に参加できる労働力を大量に有している。中国経済は競争力を失ってはいない。競争力という点から言えば、賃金水準だけでなく、生産量あたりの人件費を重視しなければならない。中国の賃金上昇は突然始まったものではなく、すでに長期にわたり続いている。そして過去10年間、中国の労働生産率も年10%のペースで成長してきた。ゆえに、生産量あたりの労働力コストは実質的にはあまり変化していない」と指摘。

中国は「中所得の罠」に陥りかけているか?

ラーディ氏、「私はこの見方も疑わしいと思う。『中所得の罠』に陥った国のほとんどは、1人あたりの平均所得が今の中国よりもずいぶん高い水準に達していた。「罠」は1人あたりの所得が1万〜1万2000ドル(約92万〜111万円)に達したころに訪れる。ちなみに中国は現在6000ドル(約55万円)前後だ。内需促進の政策が着実に実施されれば、中国は今後10年間で相当高い成長率を維持できるだろう」と話した。

中国が「日本式の不況」に陥るのではと心配している人がいるが?

ラーディ氏、「中国が日本と同じ状況に陥ることはないだろう。日本は閉鎖的で、国外からの移民が大量に流入するのを許さない。日本は1人あたりの所得こそ高いが労働人口は減少しつつあり、経済成長率も低い。一方中国はより柔軟で実務的な人材政策をとっている。中国は日本と同じ過ちを繰り返さないだろう」と分析した。

高齢化が中国の経済発展を制約する要素となるか?

ラーディ氏、「高齢化は経済成長にとって確かに障害となるが、その影響は過大評価されている。中国はすでに高等教育への投資拡大など、高齢化の影響を抑えるための措置を講じている。これにより労働力の質が向上するだろう」と述べた。

中国経済に対して楽観的なわけは?

ラーディ氏、「中国は過去15年間で、国有企業が経済に占める割合が下がった。90年代以降は外資系企業の成長が加速し、2005年には中国の輸出への貢献がピークに達し、その後下降した。これに代わり、私営企業が中国経済の成長と輸出増加のけん引力となった。これらの企業は競争力が高く、反応が素早く、ビジネスチャンスがどこにあるか、どのように融資し、市場を開拓し、新製品を開発すべきかを知っている。私は中国が将来、引き続き貿易大国であり続けることに楽観的な見方を持っている。外部オブザーバーの1人として言いたいことは、中国は経済構造の調整加速、および経済発展モデルの転換に関する政策を着実に実施するべきだ」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/内山)

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