韓国各紙、米韓の大規模軍事演習打ち切りに反対の声「北の非核化は手付かずなのに」

Record China    2019年3月8日(金) 21時50分

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米韓の大規模な合同軍事演習打ち切りについて、韓国各紙がこぞって反対の声を上げている。北朝鮮への軍事的圧力は大幅に弱まるだけに各紙は「北の非核化は手付かずのままなのに」などと主張している。資料写真。

2019年3月8日、米国と韓国の大規模な合同軍事演習打ち切りについて、韓国各紙がこぞって反対の声を上げている。北朝鮮への軍事的圧力は大幅に弱まるだけに各紙は「北の非核化は手付かずのままなのに」「有事の際の戦力を弱体化させる」「北の誤った判断をあおる」などと主張。「韓国自ら安保システムを弱めた」と警鐘を鳴らしている。

聯合ニュースなどによると、米韓両国は今年から大規模な野外機動訓練「フォール・イーグル」の名称を廃止し、小規模な部隊による訓練を実施する。朝鮮半島の有事に備えた大規模合同指揮所演習「キー・リゾルブ」も今年から「同盟」へと名称を変更し、実施期間と規模を縮小する。韓国国防省の報道官は「実質的な連合防衛態勢には全く問題がない」と説明した。

これに対し、朝鮮日報は社説で「水素爆弾数十個を手にしている北朝鮮には非核化の意思そのものがないことが確認済みなのに、大韓民国の安全保障に誰が責任を持つというのか」と批判した。トランプ米大統領の「合同演習のたびに1億ドル(約112億円)の費用がかかる」との発言についても「実際の演習費用はキー・リゾルブ、フォール・イーグルが200億ウォン(約19億9000万円)程度だ」などと反論。「トランプ大統領は次期大統領選までに北朝鮮が核・ミサイル実験を行わないことを業績とするため、演習廃止を決めたとみられる」との見方を示した。

中央日報は「有事の際の同盟戦力弱化させる韓米合同演習中断、再考すべき」との社説を掲載。「合同演習は韓米連合司令部および在韓米軍と併せて韓米同盟の三大柱だ。当然ながら合同演習を減らせば、その影響は在韓米軍縮小と連合司令部の戦闘力低下につながる。訓練しない部隊は戦闘力が落ち、その存在価値も有名無実になる。受験生が模擬試験を受けないようなものだ」などと問題視した。

さらに「米朝ハノイ首脳会談の決裂は北朝鮮の非核化が難しく、時間が長くかかるということを改めて確認した」と指摘。「うまくいけば韓半島(朝鮮半島)平和と統一に進むだろうが、その反対もあり得る。政府は非核化に対する過度な期待と希望の前に、韓国の安保システムの重要な軸である韓米連合防衛体制を何よりもしっかり維持する必要がある。即興的に行われた合同演習の縮小は再検討されることが望ましい」と訴えた。

東亜日報は社説で「大きな問題は北朝鮮が誤った判断をする可能性だ」と言及した。「平和攻勢の裏で北朝鮮は韓米間の仲違いに成功したと誤認する可能性がある。あるいは金正恩・朝鮮労働党委員長がハノイの『屈辱』を挑発で挽回しようとする可能性も排除できない」として、「そのため、韓米は軍事態勢におろそかな点があってはならない。今回の演習の調整も一時的で可変的な措置にすぎず、韓米同盟は直ちに今夜いかなる敵であれ撃退する準備ができていなければならない」と論じた。(編集/日向)

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