人民網日本語版 2019年3月28日(木) 9時20分
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中国は今や世界のぜいたく品産業に幸福をもたらす場所になった。
管理コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーがこのほど発表した報告書「中国ぜいたく品市場研究」によると、2018年に中国ぜいたく品市場の売上高は記録を更新した17年の勢いを引きつぎ、成長ペースは2年連続で20%に達したという。
報告書を作成したベイン社のグローバルパートナーのブルーノ・ランヌ氏は「驚くべき」という言葉で中国の成長ペースを形容した。これほどの成長にはさまざまな要因があり、たとえば中国のぜいたく品販売にはECという欧州の他の市場にはないチャンネルがある。中国ではネットでぜいたく品を買う人が他国よりも明らかに多い。また、消費が回帰し、中国政府が輸入関税を引き下げ、グレーマーケットに対する管理コントロールを強化し、大手ぜいたく品ブランドが中国と海外との価格差の調整を続けたなどの要因が絡み合って、ますます多くの中国人消費者が国内市場でぜいたく品を買うようになった。ベイン社の提供したデータによると、中国人消費者のぜいたく品消費のうち中国での消費が占める割合が15年は23%だったのが、18年は27%に上昇した。さらに25年には50%に達することが予想される。
それではどのような人がぜいたく品を買うのだろうか。ランヌ氏は、「他国に比べ、中国のぜいたく品の消費者は平均年齢が低い。中国のミレニアル世代がぜいたく品市場の発展を牽引しており、過去1年間の市場の伸びはほぼすべてこの世代に属する23~28歳の消費者によるものだった」と話す。
驚くべき状況だが、中国ではこれが当たり前のことになっている。ここ数年ほど、消費財ブランドメーカーの多くが市場でのマーケティング戦略で若者を主なターゲットとしてきた。こうした流れの中、単価の高いぜいたく品ブランドも中国の若者を重視するようになった。中国の有名な大手ECプラットフォームに店舗を開設し、さらにはECプラットフォーム限定商品を打ち出し、中国で人気のネット有名人やオピニオンリーダーとコラボレーションして、雑誌の表紙やショーウィンドーのポスターに有名人が大勢登場させる。それも数カ月前から人気が出始めたばかりの新しい有名人たちだ。このような戦略をとる理由は、ますます低年齢化する顧客に合わせようとするからに他ならない。
中国の若者に高い購買力があるのはなぜか。ランヌ氏は、「研究の結果からわかったことは、中国のミレニアル世代の中のかなりの部分が自分の家を持ち、家からある程度の資金をもらうと同時に、自分で働いて得た収入もあり、可処分所得が多いということ。また、ミレニアル世代はたくさんの情報ルートをもっているのでぜいたく品に関する情報によく接し、ぜいたく品産業をよく知っているということだ」と話す。
ランヌ氏の見方は既存の報告書に基づいている。HSBCが17年に発表した世界の住宅保有者に対する調査報告書「レンガ・瓦の上:住宅の意義」によると、中国はミレニアル世代の住宅保有率が最も高い国で、欧米諸国を上回る70%に達し、世界一だ。ただ、中国の回答サンプルをみると、都市部の回答者が85%を占めている。
いずれにしろ、中国人消費者は世界ぜいたく品市場の消費で軽視できない存在になっている。ベイン社が提供したデータによると、中国人購入者のぜいたく品消費の総額は世界市場で33%のシェアを占め、つまり中国人は18年に世界のぜいたく品の3分の1ほどを購入したことになる。3年前は31%、18年前はわずか1%だった。
これと対応する変化は、中国が世界最大のぜいたく品の潜在的消費市場であると認識した世界の大手ぜいたく品ブランドが、中国での店舗戦略やマーケティング戦略を調整するだけでなく、中国人消費者向けの限定商品を打ち出すようになったり、ますます多くの新製品を中国で最初に発売するようになったりしたことだ。
エルメスを例にすると、今年2月に発表した18年第4四半期の決算によると、アジア太平洋市場で固定レートの売上成長率が11.6%を記録し、日本の8.1%の成長率を除いて計算すると13.1%になる。今年初めには香港、長沙、西安に直営店をオープンし、上海IFC店をリニューアルした。
「中国の発展が一定の段階に到達すれば、現在の日本のように低欲望社会に突入する」と予言する人がいるが、ぜいたく品企業が今こうした問題を考えるのは時期尚早だ。楽観的な見方をする人は、「現在の成長ペースがしばらく続く。中国のミレニアル世代がぜいたく品への興味や購入意欲を失うことはない」という。UBS銀行が最近行った調査では、ミレニアル世代の71%がお金に関する今後の見通しに楽観的な態度を取り、81%は収入が増えると考えていた。
だが、ぜいたく品企業が警戒しなければならない側面もある。賃料、マーケティング費用、オピニオンリーダーとの協力などを含め、各種費用が増加するのに伴い、中国市場でのブランド経営コストも上昇を続けている。各ブランドともデジタルマーケティングへの投資も増やしている。ランヌ氏は、「デジタルマーケティングへの投資は15年は一部分だったのが、今や半分を超える水準に達し、18年は60~70%だった」と予想する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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