中国が世界のレアアース・サプライチェーンを主導する―米誌

Record China    2019年3月27日(水) 5時40分

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26日、米防衛専門誌ナショナル・ディフェンス(電子版)はこのほど、「中国はレアアース(希土類)加工における優位性を固める」とする記事を掲載した。資料写真。

2019年3月26日、中国メディアの参考消息網は、米防衛専門誌ナショナル・ディフェンス(電子版)がこのほど、「中国はレアアース(希土類)加工における優位性を固める」とする記事を掲載したことを紹介した。

それによると、記事はまず「米国の防衛技術におけるリーダーシップの相対的な低下は、レアアース能力の低下を反映している」と指摘した。

そして、レアアースについて「元素周期表上の17元素の総称であり、ほとんどの現代的技術や兵器システムにおける重要な構成要素となっている」とし、「米国のレアアースサプライチェーンが初めて危険にさらされたのは1980年代だ。米国原子力規制委員会と国際原子力機関による規定の変更が無意識に、米国のレアアース産業のあらゆる側面の中国への移管を招いた」とした。

さらに、「2012年に上場した400社以上のレアアース関連スタートアップのうち、生産段階にまで至ったのは5社に満たなかった。うち相当な生産量に至ったのは2社だけで、1社は破産後に中国の融資で復活し、もう1社は短期間に営業許可を失った」「この間に中国は、失敗やつまずきが多いこのプロジェクトで重要な株式や負債ポジションを獲得した」「これらの材料は金属に精製されるまで重要な技術的・防衛的価値を持たないため、報告済みのレアアース鉱床や精製された酸化物だけが政府の政策決定を歪める。それを実行できるのは中国だけだ。実際、中国以外のすべてのレアアース鉱床は、その精鉱または高価値酸化物をレアアース金属や合金、磁石、その他の高価値材料に加工するために中国に出荷している」「レアアースのサプライチェーン全体ではなく採掘に専心する米国の態度は、国家および経済の安全を損なっている」「2016年2月の米政府監査院のリポートは、米国が国内のレアアースサプライチェーンを再構築するのに15年かかると見積もっている」「米国の政策決定者にこれらの微妙な点を理解している人はほとんどいない。中国がこれらの材料の禁輸を選択した場合、中国以外のほぼすべての自動車やコンピューター、スマートフォン、航空機の組み立てラインを停止させる可能性があることを知って、多くの人は驚くだろう。同じことがレアアースに依存する米国およびNATOの兵器システムにも当てはまる。これらのサプライチェーンは切断することが可能だ」「これらの指定された材料のほとんどは米国防兵站局によって備蓄されていない。米国政府は1994~98年の間にレアアースの戦略的埋蔵量全体を売却した。現在、少量の希土類酸化物とジスプロシウムしか残されていない。われわれの防衛産業が直接利用できる形のものはない。米政府監査院は、これらの材料が利用されるためには中国のサプライチェーンを通過する必要があると報告している」「米国の防衛請負業者や技術会社が使用するすべてのレアアースや合金、磁石は中国まで遡ることができる」「中国で最初の国際レアアース特許出願が行われたのは1983年のことだ。そしてわずか14年後に中国は、出願された特許の総数で米国およびその他すべての国を上回った。2018年8月現在、中国のレアアース特許出願件数は米国より2万3000件以上も多い」などと伝えた。

そして最後に、「ホワイトハウスは最近の報告書でこの問題を認め、中国によるサプライチェーンは重大かつ増大するリスクとなっており、これらの材料は米国の国家安全保障にとって重要かつ戦略的な意味を持つと指摘している」とし、「ペンタゴンと防衛請負業者にとって、過去数十年は予算が増え、株価が急上昇するなど順調だった。だが中国はこの時期に、西側を追い越し取って代わるための基礎を築いている。中国の進歩は世界の権力バランスを急速に変化させており、その未来は自身の手中にある」とした。(翻訳・編集/柳川)

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