文大統領の「即位の礼」欠席は日本を“格下げ”する行為なのか―中国専門家

Record China    2019年10月19日(土) 7時20分

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中国メディアの中国網は17日、「文在寅大統領が日本の天皇の『即位の礼』を欠席したのは、外交的に(日本を)“格下げ”したわけではない」と題する論評を掲載した。

中国メディアの中国網は17日、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が日本の天皇の『即位の礼(即位礼正殿の儀)』を欠席したのは、外交的に(日本を)“格下げ”したわけではない」と題する論評を掲載した。著者は、四川大学歴史文化学院の李若愚(リー・ルオユー)副研究員。

李氏はまず、天皇陛下の「即位の礼」に出席するため訪日する多くの外国の要人が、安倍首相を含む日本政府の関係者と会談の予定を組んでいると紹介。そして、最も「突破口」が必要な問題として、冷え込みが続く日韓関係を挙げた。

李氏は、「即位の礼」に際して文大統領が訪日するのではないかという話は早くからあったとし、「今年2月にKBSが文大統領の訪日の可能性を報じており、韓国国内でも期待感があったようだ。しかし、実際に訪日するのは李洛淵(イ・ナギョン)首相に代わった。このことは当然ながらさまざまな憶測を呼んだ」とした。

一つ目として、「韓国が李首相を出席させることは、異例の外交的“格下げ”に当たる行為なのか?」との疑問の声があると紹介。李氏はこれに否定的な考えを示し、「『即位の礼』は日本の皇室が主体となる行事で、派遣するのは政界の要人ではなく皇室の人間という国も少なくない。1990年の明仁天皇即位の際にも、韓国から出席したのは当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領ではなかった。そのため、李首相の派遣は合理的である」とした。

二つ目の疑問は、「文大統領の代わりに李首相が出席することは、日韓関係が短期的に好転することが難しいということを意味しているのか?」だとした。李氏は「文大統領と比べると、李首相の日本での評価はやや高い」とし、日本のメディアが李首相について「日本に長期滞在したことのある知日派」と紹介し、安倍首相との会談の可能性についても前向きに報じていることを挙げ、「(文大統領が訪日する)条件が整っていない状況で李首相が出席することは、悪手とは言えない」と論じた。

三つ目の疑問は、「安倍首相と文大統領の会談が実現しさえすれば、日韓関係は全面的に良くなるのか?」ということ。李氏はこれについても「楽観的過ぎる」と否定し、「両国関係を決定するのは当事国の利益と国策であって、指導者個人の問題ではない」と指摘。「今夏のG20大阪サミットで両首脳はすでに顔を合わせている(儀礼的な握手だけでそれ以上の交流はなかったが)。そしてその直後に、日本は対韓輸出規制を実行した。首脳会談は決して万能薬ではない」と指摘した。

李氏は最後に、「両国の指導者はそれぞれの都合がある。韓国では、文大統領が強硬任命したチョ・グク法相が電撃辞任し、その影響が政権にまで及んでいる。日本は外交の焦点を中国に移している」とし、「行き詰まっている日韓関係も国際的な枠組みからは脱することはできないと見られている。現在の国際社会は100年に一度の大変革に直面している。新たな秩序が形成された時、日韓関係もそれに応じた新しい形になるだろう」との見方を示した。(翻訳・編集/北田

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