中国の原発専門家が語る、福島第1原発事故の啓示―中国メディア

Record China    2013年3月13日(水) 19時8分

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12日、新華社通信のウェブサイト・新華網は、2年前の東日本大震災の際に発生した福島第1原発の深刻な放射性物質漏れに関する、中国の専門家の見解を掲載した。資料写真。

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2013年3月12日、新華社通信のウェブサイト・新華網は、2年前の東日本大震災の際に発生した福島第1原発の深刻な放射性物質漏れに関する、中国の専門家の見解を掲載した。

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福島第1原発事故から今月11日で2年。同事故はスリーマイル島原発とチェルノブイリ原発に続く、世界で3番目の大規模な放射性物質漏れ事故となった。福島第1原発事故はこの2年間に、中国さらには世界にどのような啓示を与えたのか?世界の原発推進への道にはどのような影響があったのか?全国両会に参加している中国原発業界の全国政協委員に話を聞いた。

■「人為的事故」は原発の安全基準を高めるよう世界に警告

日本の国会の福島原発事故独立調査委員会の報告は、福島第1原発事故は重大な「人為的事故」であり、「日本の作り出した」災難だと指摘した。

全国政協委員を務める中国広東原発集団公司の賀禹(ホー・ユー)会長は「この2年間に中国政府は国の原発安全基準をさらに引き上げ、原発の安全水準の向上と原発産業の安全で効率的な発展の促進に尽力してきた」と述べた。

また、「原発の運用および独自設計の原発の安全基準の引き上げの面で中国はさらに大きな飛躍を遂げた」と語る。さらに、全国政協委員を務める中国原子力研究設計院の羅(ルオ)院長によると、中国で開発されたACP1000は完全な知的財産権を備え、安全性、経済性、先進性においてすでに建設着工条件を備えている。

このほか賀会長は、「現在中国広東原発集団公司は福島後の改良計画を全面的に実行に移し、運用中・建設中の原発の改良と向上を続けると同時に、知的財産権を持つ原発技術ACPR1000+の開発を積極的に推進している。この技術はこれまでで最も進んだ原発技術基準の要求を満たし、成熟した技術の統合的革新と応用を実現した。原発の事故初期、中期、長期の安全を確保することができる」と述べた。

■世界の原発産業は調整期に、長期的発展のため

原発の設備容量が世界最大で、技術でもリードする米国で今月9日、35年ぶりに新たな原発が本格的に着工した。今月12日には別の原発も着工。

全国政協委員を務める国家原発工程有限公司の王明弾(ワン・ミンダン)副社長は「昨年から複数の国が新基準に沿って設計した原発の建設を再開した」と話し、米国の最新の原発と中国で建設中の原発は同じ第3世代AP1000技術を採用していると説明した。

国際社会は福島第1原発事故後、全面的な見直しを行い、既存の原発に対して踏み込んだ調査を行い、より厳しく、高い基準を定めた。

■原子力は依然として未来の趨勢

福島第1原発事故まで日本では原子力発電は火力発電に次ぐ重要な発電で、電力供給全体の31.3%を占めていた。それが今ではわずか2.7%だ。今後のエネルギー政策、特に原発の存廃については各方面の溝が大きく、日本は難しい選択を迫られている。

羅院長は、「原子力は未来の世界のエネルギー発展の趨勢だ。民間の反対の声は強烈だが、日本はエネルギーが不足しており、水力発電の余地はないし、化石燃料は汚染が深刻だし、選択は限られている」と述べた。

また、賀会長「中国としては、原発推進は依然として理性的、現実的選択だ。原子力は安全でクリーンな、経済的エネルギーだ。2012年中国は原発の正常な建設の堅実な再開を決定した。これは国が原発の安全状況を全面的に評価し、原発保有国と国際組織の安全検査の結論、および福島第1原発事故の原因がほぼ明確化したことを総合的に考慮したうえで出した慎重かつ理性的な決定だ」と話した。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山

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