日韓WTO訴訟、韓国大逆転勝訴の裏側―中国メディア

Record China    2019年4月15日(月) 11時20分

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14日、紅星新聞は、WTOの上級委員会が、東日本大震災に伴う原発事故を受けて福島県など8県産の水産物輸入を規制している韓国の措置を不当とした一審判断を取り消し、日本が事実上逆転敗訴となる最終判断を下したことについて分析する記事を掲載した。資料写真。

2019年4月14日、中国メディアの紅星新聞は、世界貿易機関(WTO)の上級委員会が11日、2011年の東日本大震災に伴う原発事故を受けて福島県など8県産の水産物輸入を規制している韓国の措置を不当とした一審判断を取り消し、日本が事実上逆転敗訴となる最終判断を下したことについて分析する記事を掲載した。

記事はまず「日本政府はなぜ韓国だけを提訴したのか」について、「原発事故後に54カ国・地域が水産物など日本産食品の輸入を規制した。このうち31カ国・地域は規制を解除したが、現在も23カ国・地域が規制を続けている。日本政府は15年、韓国の輸入規制は不当として、WTOに正式に提訴した」とした上で、朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」の辺真一編集長が「他の国々が段階的に制裁を緩和している中、韓国のみが制裁を強化していることへの反発と、日本と海を面している韓国に勝訴すれば、ドミノ的に他の国々の輸入禁止、規制の壁を崩すことができるからだ」と分析していることを紹介した。

次に、「なぜ一審判断が覆ったのか」について、韓国紙・朝鮮日報が「WTO上級委員会の特性も韓国側の助けになった。一審は事実関係を中心に判断したが、上級委員会は主に法理を調べる」とし、韓国食品医薬品安全処関係者の話として「関連資料を追加するよりも、以前の判定が偏っていたということを示すことに重点を置いた」と伝えていること、日本経済新聞が「上級委員会委員の定数は7人だが、審理に最低限必要な3人体制となっており、紛争解決機能の低下がみられている」と伝えていることを紹介した。

記事はまた「安倍政権の『東北復興』計画に打撃」とし、日本からの韓国向けの水産物輸出額は全面禁止後の1年間で約84億円と、前年同期に比べ25億円減少したことを紹介。韓国紙・中央日報が「勝訴を追い風にほかの国・地域にも輸入規制の緩和を求める予定だった日本の戦略が狂う可能性が高い」と報じていることを伝えた。

「日韓関係のさらなる悪化を招くことになるか」については、「すでに氷の谷にまで落ち込んでいる日韓関係はより悪化することになるだろう」とし、中央日報が「日本の長嶺安政駐韓大使は12日午後に韓国外交部を訪問し、李泰鎬(イ・テホ)第2次官に会う予定だった。WTO上級委員会で日本の勝訴を予想していただけに、韓国政府に水産物の即刻輸入開始を要請しようとしたと考えられる。しかし意外な結果が出たことで、日本大使館側は突然、訪問日程を取り消した」と報じているとした。

さらに、「これに先立ち、日韓の緊張は政治分野から経済分野へと広がっている」とし、今年5月にソウルで開催される予定だった日韓経済人会議が9月以降に延期されることになったこと、昨年11月に予定されていた日韓商工会議所首脳会議が延期されたままになっていること、日産自動車が先月26日、ルノーサムスンに対し、今年の発注は予定の10万台より少ない6万台とすると通告したことについて、ルノーサムスン内部のストライキに対する懸念のほか、日韓関係悪化の影響を指摘する見方があることなどを伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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