ファーウェイ排除で「日本はジレンマに陥る」と中国メディア、「米国に追随しても割に合わない」とも

Record China    2019年4月21日(日) 14時40分

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米国が排除を進める中国の通信機器大手・ファーウェイをめぐり、中国メディアは「日本がジレンマに陥る」と伝えた。「米国に追随しファーウェイの制裁に加わっても経済的に割に合わない」などと論評している。資料写真。

2019年4月19日、米国が排除を進める中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)をめぐり、中国メディアは「日本がジレンマに陥る」と伝えた。「ファーウェイの部品生産に加わる日本企業は80社以上」と指摘。「米国に追随しファーウェイの制裁に加わっても経済的に割に合わない」などと論評している。

日本とファーウェイの関係について、中国網は廉徳瑰・上海外国語大学日本研究センター主任が執筆した記事を掲載した。この中で廉主任はまず「ファーウェイの昨年の携帯電話販売台数は2億台以上で、うち日本から輸入した部品が高いシェアを占めた」と述べ、「ファーウェイは2017年に日本から約43億ドル(約4700億円)の部品を輸入したが、この金額は18年に60億ドル(約6600億円)に拡大した」と説明した。

具体的には「ファーウェイの部品生産に加わる日本企業は現在、80社以上に上る」と例示。「パナソニックや京セラといった有名企業が、ファーウェイの携帯電話、基地局建設、ワイヤレス通信事業に参加している。ソニーなどの日本企業はさらに、ファーウェイの新製品・新技術の研究開発に加わっている」として、「日本がファーウェイを制裁すれば必然的に日本企業が損失を被り、日本経済にとっても極めて不利だ」と主張した。

廉主任は日本の外交政策にも言及。「『米国一辺倒』は戦後日本の外交の基本的な国策だが、(ファーウェイ問題で)欧州の同盟国は足並みをそろえようとしていない。日本の態度は曖昧で立場が不確かだが、これはその外交に揺れが生じていることを反映している。長期的に見ると、より開放的な中国が発展の勢いを増すことが予想できる」と論じた。

続いて「米国に追随しファーウェイの制裁に加わっても経済的に割に合わず、政治的に見ても自国を不利な立場にする。米国は常々、政治および安全問題を口実に日本の利益を損ねている」と解説。「日本は02年にイランとアーザーデガーン油田を共同開発し、その75%の利益を獲得できるはずだったが、米国が政治的な理由で圧力をかけたため放棄せざるを得なくなった」と振り返った。

さらに「日本は地政学的な面とパワーバランスを考え日米同盟を維持せざるを得ないが、自国の戦略的利益が損なわれることへの警戒を強めている」と記述。「安倍晋三首相は公の場で中日関係が正しい軌道に向かっており、新たな段階を迎えていると話した」と付言した。

その上で「戦略的に考えると、米国寄りか中国寄りかという選択は現在の日本にとって時期尚早だ。日本が直ちに米国の核兵器の保護から離れることはない」としながらも、「中米の構造的な競争の流れが形成されるに伴い、独立国家である日本は盲目的に他国に追随するのではなく、遅かれ早かれ自分の主張を掲げなければならない」と“忠告”している。(編集/日向)

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