北京市、3年後めどに淡水化した海水を飲料水に―中国

Record China    2013年3月19日(火) 23時31分

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19日、中国・北京市では早ければ3年後に、中国北部にある渤海(ぼっかい)の海水を淡水化した水を飲料水として運用するという。写真は山東省にある海水の淡水化工場。

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2013年3月19日、中国・北京市では早ければ3年後に、中国北部にある渤海(ぼっかい)の海水を淡水化した水を飲料水として運用するという。汚水処理事業を行う北控水務集団の関連の責任者が明らかにした。京華時報が伝えた。

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同責任者は取材に対して、「大量の海水を淡水化する核心技術を完全に掌握した。3年後に、河北省唐山市の曹妃甸(そうひてん)区で実施されている海水淡水化プロジェクトで、1日当たり100万トンの淡水を生産できるようになる。そして水道水の基準を満たした水を270キロに渡る送水管を通して、北京に送る」との計画を明らかにした。

■沸騰させずに直接飲める水に

同社によると、淡水化を実施する場所に曹妃甸を選んだのは、海流の影響で同地にある海域の海水の水質がほかの海域よりも明らかに高いという地理的なメリットがあるため。同プロジェクトで使用されている海水はすべて海面より15m以下の海から取られている。「海水の水質は絶対に保障できる。海水を淡水化した水は欧州各国と同じく、蛇口をひねって直接飲める」。

簡単に言うと、海水の淡水化は文字通り、海水中の塩分を除き、真水だけを取り出す作業だ。同責任者によると、「国際的な基準に基づいて、残った塩水は直接海に排出することができる」。「飲用水の基準には、人体に益となるミネラルの量が設定されていることを考慮し、淡水化の最後の行程で、水中を溶解中、および送水管で遊離中の二酸化炭素を炭酸カルシウム粒子と反応させ、水のアルカリ度と硬度を向上させることで、最も口当たりのいい状態にする」という。

近い将来、淡水化された真水は、高速道路に沿って設置された送水管を通って北京に送られる。また、曹妃甸と北京の間にある唐山市や天津市、廊坊市に送水するための水道管も設置され、北京と合わせて1日100万トンの水が送水される計画だ。北京市の住民の1人当たりの水使用量は1日214リットルで、100万トンの水は約500万人分の1日の使用量に当たる。同数字は北京市の1日の平均総使用量の3分の1に当たる。

■水道代は据え置きか

現在、北京市の水道水は1トン当たり4元(約60円)だが、海水を淡水化し特殊な処理を施した水を北京にまで送水するとなると、水道代が高くなるのではないかというのが住民らの心配の種だ。この問題に関して、同責任者は、「淡水化された真水の値段は1トン当たり約4.5元(約675円)。送水コストは1トン当たり2.5〜3.5元(約37〜52円)。北京の水は1トン当たり7〜8元(約105〜120円)ほどだろう」との見方を示している。

ただ、「値段だけを見ると、現在の水道代より高くなるのではないかと感じるかもしれないが、中国のダムや送水管道の建設など水利プロジェクトに必要な経費は、基本的に各級の財政で負担している。それを水道水のコストには盛り込まず、水の値段と質のバランスが崩れないようにしている。それに、水を都市にまで送るための工事に必要な、土地や投資、運営、管理などの費用、さらにロスなどを計算に入れても、淡水化された真水の運用にかかるコストは普通の水道水より安い」とし、「政府はこれまで、ずっと住民の水道代に補助金を出しており、淡水化された真水が北京に送られるようになっても、これまでの水源の代替、もしくは補充になるだけで、住民の水道代が上がることはない」と指摘している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/内山)

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