ドイツがF-35戦闘機を買わない理由―中国メディア

Record China    2019年5月9日(木) 7時40分

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8日、解放軍報は、ドイツ空軍の戦闘機トーネードIDSの後継機選びにおいて米国のF-35戦闘機がリストの中から外れたとし、その理由について考察する記事を掲載した。写真はF-35。

2019年5月8日、解放軍報は、ドイツ空軍の戦闘機トーネードIDSの後継機選びにおいて米国のF-35戦闘機がリストの中から外れたとし、その理由について考察する記事を掲載した。

記事は、海外メディアが先日報じた内容として「トーネードIDSの後継機選びで、西側諸国がこぞって購入しているF-35戦闘機がリストから外れた。ドイツ国防部も正式にF-35を選択肢から外したことを明らかにしたとの情報もある」とした。

そして、就役からすでに40年近くが経過しているトーネードIDS戦闘機をドイツ同様に配備している英国やイタリアはF-35を次世代主力戦闘機と位置付けており、特にイタリアは自国内での組み立て生産を実施すると紹介。また、購入コストや使用コストでは、現在ドイツが購入を検討しているユーロファイター・タイフーンに比べて決して高いわけではないとしたうえで、「実際、ドイツがF-35を拒絶したのは、さまざまな検討が重ねられた結果なのだ」と論じた。

その理由についてまず、現在の大連立政権の与党で、政府の外交や財政部門で重職を担っているドイツ社会民主党による軍事費の増加を抑える姿勢、ロシアの東欧地域への軍事配備に対する穏健な立場、トランプ米政権への抵抗姿勢が影響していることを挙げ、「ドイツ政府や議会内で米国からの武器購入案が可決されにくくなっている」とした。

次に、英国の欧州離脱やトランプ氏による北大西洋条約機構(NATO)加盟国批判の中でドイツがフランスと国防政策上の関係をますます緊密化させている点に言及。「両国は1月に軍事協力などに関するアーヘン条約を締結し、2月には2040年までに次世代の最新鋭戦闘機を共同開発することで合意した」とし、「この状況下でドイツがF-35を大量購入すれば、フランス側から戦闘機共同開発に対する憂慮の声が出かねない」と解説した。また、「ドイツも自国の国防産業を助成する姿勢を持っており、共同開発機が就役するまでの向こう20年間はタイフーンを主力戦闘機に据えたいという狙いがある」としている。

記事は一方で、「ドイツ空軍はこれまでステルス性能を持つ戦闘機の導入を望んでおり、F-35が選択肢から外れたことに対する不満が同空軍内に出ている」とも指摘。「米独間の貿易摩擦、ドイツの政界・軍部における意見の不一致という状況で、ドイツがF-35を拒み続けることができるのか、観察が必要だ」と結んだ。(翻訳・編集/川尻

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