Record China 2019年5月10日(金) 20時50分
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9日、騰訊網に、中国人観光客のマナー問題について言及し、30年前に同じ問題を抱えていた日本の取り組みが、マナーやモラルの改善で大いに参考になるとする文章が掲載された。写真は日本の電車に乗る中国人観光客。
2019年5月9日、騰訊網に、中国人観光客のマナー問題について言及し、30年前に同じ問題を抱えていた日本の取り組みが、マナーやモラルの改善で大いに参考になるとする文章が掲載された。
文章は、経済の発展に伴いますます多くの中国人が海外旅行を楽しむようになった一方で、各地で中国人観光客によるマナーに反する、モラルに欠ける行為をいやというほど見聞きするようになったと紹介。一方で「日本人もこのような『蔑視』のなかから徐々に変化していった。われわれはその経験をくみ取ることができるかもしれない」とした。
そして、日本では東京五輪が開かれた1964年に一般市民の海外旅行が解禁となり、高度経済成長に伴って旅行者数は年々増加し、当初10万人規模だった年間海外旅行者数が90年には1000万人を突破した一方で、日本人観光客のマナーに欠ける行為が海外で悪評を呼び「観光摩擦」が生じる事態になったとした。そして、1980年代には新聞や雑誌の紙面に「海外の観光地で荒唐無稽な行動をとる日本人」「礼儀知らずな日本人観光客が増えている」といった見出しが躍るようになったと伝えている。
その上で、「事態を重く見た当時の運輸省が1991年、国外で禁止または批判の対象とされている行為を漫画形式でまとめた海外旅行のマナーガイド冊子を発行し、海外旅行をする日本人への啓蒙を図った」と紹介。「この約30年に及ぶ宣伝教育により、今日のマナーの良い日本人観光客像が出来上がっていった」と説明した。
また、各旅行会社も海外ツアー参加者に対して出発前の説明会を開くなどして、海外でのマナーや習慣に対する知識や意識の普及に努めたことを挙げ、「政府による推進、社会の教育、観光業界の宣伝、そして市民自身の意識向上といった要素が組み合わさって、海外における日本人の印象が批判から称賛へと変化していったのかもしれない」とした。
文章は最後に、「モラルのある行為の形成が一朝一夕には実現しないのはどの集団でも一緒である」としたうえで、「われわれの政府や各旅行機関が海外文化教育を重視し、旅行をする市民1人1人に現地の文化、習慣、法律に対する最低限の理解を持たせることを望む。理解があってこそ、多くの誤解を打ち消すことができるのだ」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻)
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